10.7 C
Tokyo
6.9 C
Osaka
2025 / 12 / 26 金曜日
ログイン
English
流通・飲食物流即席麺の物流を支える日清エンタ―プライス 効率化や負担軽減で持続可能性追求

即席麺の物流を支える日清エンタ―プライス 効率化や負担軽減で持続可能性追求

 即席麺市場の最大手、日清食品グループの国内物流ネットワークを支える日清エンタープライズ(日清EP社)。本紙などが加盟する即席ラーメン記者会8社は、日清食品関西工場の物流現場を視察する機会を得た。2018年10月に本格稼働した最新工場においても、日清EP社は先進的なシステムや機器を積極的に活用。持続可能性をキーワードに物流の効率化や負担軽減を追求している。

トラックの作業時間を大幅短縮

 関西工場の出荷作業は完全パレット化を実現。工場後方のスペースには10本のバースが並ぶ。多い時には1日120台もの大型トラックが行き来するが、受注商品は前日までにシャトルラックへのピッキングを済ませており、積み込み作業はスムーズに行われる。ちなみに10トントラック1台に「カップヌードル」なら2160㌜(4万3200食分)を詰め込める。

 積載効率を高めるため、ケースを積む段数を上げる工夫なども随時検討中。ラップ自動巻き機を使って荷崩れ防止や運びやすさにも配慮する。

 独自に開発したトラックの受付と誘導システムで待機時間を削減したこともポイントだ。
 

受注品は事前に用意
受注品は事前に用意

 同社によると、従来はトラックの待機時間とバラ積み作業のトータルで2~3時間を要していたが、関西工場は平均53分に短縮できているという。

 パレット(T12型)は最大2万枚の保管スペースを備え、自社保有を主力に使用。ごみの付着や割れの有無をチェックするとともに、1日約4000枚を約60℃で洗浄し約100℃で乾燥する。

 倉庫内でパレットの運搬には無人フォークリフト「AGF」を活用。労働力不足が課題となる中、人手では負担の大きい作業をロボットが24時間稼働で代替している。

「AIとロボットを積極活用」深井常務

 現地で取材に応じた日清食品の深井雅裕常務取締役事業統括本部長兼Well-being推進部長は「日清EP社はAIとロボットを積極活用していく」と話す。

 自身が経済産業省や国土交通省など行政と密に連携する「フィジカルインターネットセンター(JPIC)」で理事を務めており、物流にかかわるあらゆる分野にインターネット通信の概念を適用した次世代の共同輸配送システムの実現が念頭にあるようだ。

 トラックやフォークリフトなどを含め、商品の入出荷にかかわる作業を限りなく自動化することで、「ロボットを中心に24時間働き続けても無事故の理想的な世界に近づける。かつてはどんな作業も人の手で行っていた。AIは日々の進化が目覚ましく、物流の生産性を上げるために重要な切り口になる」と話す。

関連記事

インタビュー特集

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。

国際的情報豊富な感覚で審査を展開 細分化したフードセクターに精通した審査員多数 SGSジャパン(SGS) 審査登録機関

SGSはスイス・ジュネーブに本拠を置き、試験・検査・認証機関としては世界最大級の規模である。世界115カ国以上に2500以上の事務所と試験所を有し、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている検査・検証・試験認証のリーディングカンパニーである。

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。