山田養蜂場で日中会議 安心品質の原則を再確認 第30回日中蜂産品会議

輸入はちみつのパッカーで組織する全日本はちみつ協同組合(水谷友彦理事長)は9日、「第30回 日中蜂産品会議」を山田養蜂場本社(岡山県鏡野町)で開催、日中双方で160名が出席した。日本側からは同組合員のほか、日本はちみつ輸入商社協議会、全国はちみつ公正取引協議会、全国RJ公正取引協議会が出席。中国からは中国食品土畜進出口協会をはじめ蜂蜜関係者が多数出席した。

会議では水谷理事長が「色々な難問を双方で協力し乗り切ってきた。今後も商会の協力を得て両国の蜂産品がウィンウィンになるよう協力をお願いしたい」と挨拶。徐小虎・中国食品土畜進出口商会副会長は「中国は年間42万tを生産し12万tを輸出、日本へは約3万tを輸出している。今回、過去最高(81名)の出席者となり日本市場への関心は高い。発展に伴い問題も生じるが、適切な解決策を模索していきたい」と述べた。

中国土畜進出口商会 徐小虎副会長
中国土畜進出口商会 徐小虎副会長

同会議の開催は年に1回。開催地は交互に開催しており岡山県での開催は初となる。会議には会場を提供した山田英生・山田養蜂場社長も出席。同社の成り立ちや蜂蜜への思いを述べ「蜂蜜は1千万年前から人の健康に寄与してきた。当社では多様な蜂蜜産品の研究し成果を得ているが、蜂蜜の未知の機能はまだ期待できる」と呼びかけた。

次に日本市場、中国市場の現況や、日本側から蜂蜜の品質と農薬に関する提言などを発表したほか、重松典弘・山田養蜂場専務が、咳のメカニズムの解明とともに一部の蜂蜜に含まれる鎮咳(ちんがい)作用について研究成果と今後の事業展開について紹介し、出席者の関心を集めた。

 山田養蜂場 山田英生社長(右)/徐副会長(左)
山田養蜂場 山田英生社長(右)/徐副会長(左)

現在、国内に流通する中国産蜂蜜のシェアは約70%。同協同組合、全国はちみつ公正取引競技会など業界団体が消費者保護に向け品質基準を定めて輸入する一方、インフレ対策としてDgSなど流通系PBが現地充填の廉売品を輸入販売しており、品質の安全性が懸念されている。

総括では徐副会長が「率直で建設的な意見交換で成果を得た。日本側が懸念する課題、要望に応え、品質管理の強化と輸出基準に関する改善に賛同する」と述べた。水谷理事長は「蜂蜜、蜂産品は天然物。偽和物の入らない純粋の蜂蜜を日中双方の国民が食べて健康なることを祈念したい」と締め括った。