ネスレ日本、カプセル式コーヒーマシンに「18年間で一番のイノベーション」 日本初となる1台3種の抽出で飲み方の多様化に対応

 ネスレ日本は3種の抽出方法に対応する新型カプセル式コーヒーマシン「ネスカフェ ドルチェ グスト ネオ」を9月2日から新発売し、カプセル式コーヒーマシンの新規ユーザー獲得と市場拡大に挑戦する。

 8月27日、発表会に登壇した島川基常務執行役員飲料事業部本部長は「『ネスカフェ ドルチェ グスト』が発売開始された2007年からの18年間で一番のイノベーション。単なる一つの新製品ではなく、新しいコーヒーの楽しみ方をお届けする革新的な新製品」と胸を張る。

 同製品最大の革新は、1台で3種類の抽出方法が可能となっている点。しっかりと圧力をかけて抽出する高圧エスプレッソ抽出、エスプレッソにお湯を加えるアメリカーノスタイル抽出、圧を抑えて抽出するドリップスタイル抽出の3種類に対応する。

 同社調べによると、このような機能を持つコーヒーマシン(コーヒーメーカー)は日本初だという。

ネスレ日本の島川基氏(右)と山敷千織氏
ネスレ日本の島川基氏(右)と山敷千織氏

 幅広い抽出方法によって、日本でのカプセル式コーヒーマシンの普及に期待を寄せる。

 ヨーロッパに比べてカプセル式コーヒーマシンの普及率が低い理由としては、多様化する飲み方に対応できなかったことを挙げる。

 「日本はエスプレッソよりもドリップコーヒーが主流で、アイスコーヒーなどコーヒーの飲み方も多様。これに対応する、マシンのイノベーションやコミュニケーションが不足していた。エスプレッソ以外の選択肢も増えた今、我々のコミュニケーション次第では大きく伸ばせられる」との見方を示す。

 この考えのもと、これまでカプセル式コーヒーマシンを持っていなかった層にアプローチする。
 メインターゲットは「ネスカフェ ドルチェ グスト」シリーズと同様に、共働き世帯の30-40代。
 ただし「ネスカフェ ドルチェ グスト ネオ」は現在ブラックコーヒーメニューのみを取り揃えていることから「色々なものを飲みたいファミリー層というよりも、自宅でハンドドリップやエスプレッソマシンを楽しんでいるコーヒーラバーを中心にアピールする」。

抽出前のコーヒーポッドとホームコンポストで分解が進んだコーヒーポッド
抽出前のコーヒーポッドとホームコンポストで分解が進んだコーヒーポッド

 新製品では、マシンにセットする専用コーヒーポッドにもこだわった。
 コーヒーメーカーのカプセル・ポッドとしては日本で初めてホームコンポストに対応しており、環境に配慮した設計となっている。

 山敷千織飲料事業本部コーヒーシステム&スターバックスCPGビジネス部シニアブランドマネジャーは「環境に配慮したカプセルの構想自体は10年以上前からあったが、100%紙のポッドではコーヒーの鮮度を保つのが難しかった。技術革新により、生分解できるプラスチックをパッケージに使用することで成功した」と説明する。

 発売に先駆けて、先行体験イベント「五感で味わう、未来のおうちカフェ展」を8月28日から31日まで「TENOHA 代官山」(東京都渋谷区)で開催する。

 イベント会場では、抽出方法を表現した3Dホログラム映像を放映し、コーヒーの木を模した装飾からコーヒーポッドを収穫し抽出する体験を提供する。

 映像について、山敷氏は「コーヒーの抽出方法の違いは、一般の方にはなかなかわかりにくい。1台3役で、どのような抽出方法をしていて、どうしておいしいのかをわかりやすくお伝えできる」と語る。

 神戸市の生ごみ減量プロジェクト「こうべキエーロ」と連携し、会場に家庭用コンポストも展示する。

 今後は9月2日にWEBCM、9月6日にはブランドとして数年ぶりとなるTVCMの放映を開始。10月から11月にかけては、家電量販店やショッピングモールのイベントスペースなどで試飲のデモンストレーションを行い、体験の場を創出する。