ローソンは、リアル店舗とテクノロジーを融合させた「Real×Tech LAWSON(リアル×テックローソン)」による新たな価値創出を進めている。その一環として7月22日から、東京都豊島区の北大塚一丁目店(グリーンローソン)に自動炒め調理ロボットを導入し、注文ごとに調理する炒飯や野菜炒めなど出来たてメニューの提供を開始する。これにより、店舗の省力化と出来たて商品の両立を図る。
注文はセルフレジで決済後、厨房内の端末に内容が送信され、従業員はタブレットに表示される手順に沿って油や具材、調味料を投入する。炒めや混ぜの工程はロボットが自動で行い、調理時間は約1分半~2分半。調理終了後には鍋の自動洗浄も行われ、提供までの時間は5分以内を見込む。

調理に使われるのは、TechMagic(東京都・江東区)が開発した自動調理ロボット「I-Robo 2」。鍋肌350度超の高火力と職人の鍋さばきを再現し、専門店に近い品質を実現している。
提供メニューは、「たまごチャーハン」「野菜炒め」(各税込538円)を中心にトッピング違いも含めた全14品。春巻きセットなど一部は既存のフライヤーも併用する。ターゲットは30~60代の既存客に加え、近隣オフィスや家庭の昼食・夕食需要も想定している。
インキュベーションカンパニー事業開発部の塩野貴啓部長は、「リアル×テックローソンを目指す中で、先月高輪ゲートウェイシティ店に導入したからあげクン用揚げ調理ロボに続く第二弾として導入した。ローソンの厨房商品はこれまでレンジ調理や揚げ物が中心だったが、新たなテクノロジーを活用し、今までにない質の商品を出来たてで提供できるようになる」と話す。

ローソンは全国約9600店に「まちかど厨房」を展開しており、炒め調理の追加によりメニューの幅が広がる見込みだ。北大塚店では今後デリバリー対応も計画しており、他店舗への展開や炒め以外の調理工程、中華以外のメニューへの応用も検討していく。
同社は2030年度に日販30%増、店舗オペレーション30%削減を目標としており、今回の取り組みはその実現に向けた重要な一歩となる。