総合業務用卸のマルト水谷(愛知県春日井市)は5月20~21日、名古屋市中小企業振興会館で得意先向け商品展示会「FOODNAVI(フードナビ)2025」を開催、2日間で計約5000人が来場した。
今回のテーマは「新しい価値の創造」。同社ならびに酒類、飲料、食品、設備関連など約150社が出展。新商品や業界最新トレンドなど、得意先・消費者の満足度向上につなげるための各種提案を紹介した。
開会式で木村彰社長は「25年3月期売上高は277億円で、前年比105%。酒類・飲料が165億円、食品は109億円の着地となった。営業利益も、わずかではあるが増益で着地することができた」と報告。

外食市場の足元の状況については、「中部地区はインバウンドの影響は限定的だが、名古屋駅、栄を中心に売上の回復、店舗数の復活等が進んでいる。しかし新たな問題が顕在化しており、特に人材不足や原材料の高騰、それらに伴うメニュー価格への転嫁が飲食店にとって一番の悩み。消費者においては低価格志向と価値志向に大きく二極化しており飲食店はますます消費者に選ばれる店になることが重要となっている」と指摘した。
今回の展示会では「飲食店が消費者に新しい美味しさ、楽しさを提供すると同時に、飲食店にも利益が残るような提案を準備した。飲食店に笑顔になってもらう。そんなことを、私どもはメーカーさんの力をお借りして実現したい」と語った。
会場のマルト水谷ブースでは「パーフェクト速達生」「バイヤーセレクション」「Optimal(最適な)ポーション」「ちょい足し・置き換え」「定番アップグレード」「スパイス+」などをコーナー展開した。
「Optimal(最適な)ポーション」では、来店客が少人数化する中、小ポーションで量も価格も注文しやすいメニューの最適化を推奨。
「ちょい足し・置き換え」や「定番アップグレード」「スパイス+」の各コーナーでも、食材の選定や組み合わせ、調理方法、トッピング等をアレンジすることで、新たなメニューの創出や付加価値向上につなげる差別化策を提示。諸コストの高騰や人材不足の中で“手間をかけずにひと手間かける”知恵と工夫を取り揃えた。
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