雪印メグミルク チーズ生産体制増強へ 2工場で475億円投資

雪印メグミルクはチーズの増産に向けて、北海道で主に原料ナチュラルチーズを生産するなかしべつ工場と、茨城県でプロセスチーズを生産する阿見工場の生産体制を強化する。

投資額は2工場で約475億円。稼働開始はいずれも28年度上期を予定している。伸長する国内チーズ需要に応えるとともに、新たな需要創出に向けて高付加価値商品の開発も加速させる。

同社の国内チーズ市場におけるシェアは現在、全体の約27%を占める。ここ数年は価格改定や積極的なプロモーションが奏功し、順調に成長を続けている。稲葉聡取締役常務執行役員は「今回の投資により、将来的にはシェア3割以上を目指し、圧倒的ナンバーワンを目指したい」と意欲を示す。

チーズの生産が拡大することで、近年需要が高まっているホエイ(乳清)の供給が可能となる。また、生乳の需給調整に重要な役割を果たすバター・脱脂粉乳の生産にも対応でき、総合的な乳製品の供給体制が整うことが期待される。

同社は新経営計画「Next Design 2030 コンセプト」において、国内製造拠点の3割程度の再編もしくは協業を掲げている。体制強化により国産付加価値チーズの拡大や新機軸商品、デジタル化や省人化設備による人手不足解決などを目指す。

株式会社アピ 植物性素材