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加工食品菓子越後製菓の米菓に世界が注目 「ふんわり名人」と「新潟の星」の輸出本格化 ポイントは健康・無添加・新しい食感

越後製菓の米菓に世界が注目 「ふんわり名人」と「新潟の星」の輸出本格化 ポイントは健康・無添加・新しい食感

 越後製菓の「ふんわり名人」と「新潟の星」の米菓2ブランドが世界で脚光を浴びている。

 同社はかねてから「ふんわり名人」を韓国・米国・台湾などで販売しており、2024年、北米の大手小売店への導入が決定。今年3月からカナダ・ケベック州の一部の店舗で英語とフランス語を併記した「ふんわり名人 チーズもち」と「新潟の星 甘から」の販売を開始した。

 3月7日、取材に応じた星野一郎取締役会長は「現在のところ『新潟の星』の引き合いが強く、毎週、40フィートコンテナに積載して輸出している。積載量は1コンテナあたり5000ケース(1ケース10個入り)。カナダ全店(106店舗)と北米600店舗への登録が完了し、今後、海外での需要が急増する可能性がある」と語る。

 新規導入にあたっては、原材料や賞味期限に関する厳しい法規制を全てクリアした。

 同社の商品は全て無添加。一例を挙げると「ふんわり名人 きなこ餅」の原材料は、国内製造の植物油脂、国産もち米、砂糖、北海道産大豆のきなこ、ぶどう糖、和三盆糖、食塩だけで構成されている。

 「当社の商品が海外で高い支持を得ている理由は、健康・無添加・新しい食感の3つのキーワードにあると考えている」と述べる。

 無添加とおいしさの両立の源泉には、素材と技術があるとみられる。

 国産米は主食用米と加工用米に大別される。「ふんわり名人」などでは主食用米を使用し、「きなこ餅」においてはフレーバーに北海道大豆を使用して一般的なきなこよりも深煎りにすることで、きなこ独特の香ばしさを引き出している。
 その上、きなこに使用している砂糖の一部には和三盆を使用している。

 技術については餅製造も担う当社のノウハウを活かし、つきたてのお餅のような風味や“ふわっととけるような”食感を打ち出している。
 「『ふんわり名人』は、“ばりばり、ぼりぼり”といった硬く歯ごたえのある米菓が主流となる中、製造方法を見直すなどして試作を繰り返して10年の歳月を経て開発したものとなる」と胸を張る。

「新潟の星 甘から」と「ふんわり名人 チーズもち」のケース
「新潟の星 甘から」と「ふんわり名人 チーズもち」のケース

 昨年3月からドジャー・スタジアムの売店でも「きなこ餅」を販売し、2年目の販売も決定した。

 アメリカ以外の国と地域にも広がりつつある。

 「昨年10月には、欧州最大級の総合食品見本市『SIAL Paris 2024』にブースを出展したところ、ドイツとイギリスの流通企業さまから引き合いがあり、イギリスのベンダーさまからは“ヨーロッパと中東で売りたい”とのお話をいただいている」と振り返る。

 韓国では、スーパーに加えて、コンビニにも導入された。コンビニの導入店舗数は約4万店に上り圧倒的に「ふんわり名人 きなこ餅」が支持されているという。

 海外の米菓売上高は前々期(3月期)の2億円弱から前期3億円を見込む。これにより米菓部門において海外売上比率は4%を超え「いずれ10%に達するかも知れない」と期待を寄せる。

 その一方で、「米菓は嗜好品であるため浮き沈みがある」との見方から慎重に事を運んでいく。

 「これまでのお取引も、展示会などでの出会いをきっかけに、1~2年かけて、最低でも3回は顔を合せて実現したものとなる。その過程が長いほど関係が長続きするものと思っている。ドイツの企業さまからは、当社がBRC食品安全認証を取得するまで何年でも待つと心強いお言葉をいただいている」との考えを明らかにする。

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