負担に板挟みされるX世代

各地で入社式が行われた。ここ数年、趣向を凝らした式を開く企業が増えて新入社員にとっても一生に一度の思い出になるはずだ。

▼人手不足が深刻さを増す中、企業は人材の早期離職を防ぎたい。企業トップへの取材でも、手をかけて育てた人材の離職の話題になることが少なくない。一方、政府は労働市場の流動化を促すことで経済全体の生産性向上と企業の賃上げにつなげる方針。退職金増税の見直し議論も進む。制度改正が雇用の流動化につながるかは未知数だ。

▼「インフレに備えるX世代は家での飲食にお金を使う」。ミンテルジャパンは「X世代へのマーケティング」でX世代の消費行動をまとめた。X世代は子の世話と親の介護、家庭での役割、加齢による体調変化など多重の負担に板挟みされがちだ。Z世代やミレニアル世代ほど服や装飾品などに支出しない。ベビーブーマー世代より旅行の優先度も低い。

▼調査資料では「負担に直面するX世代はタイパを重視する」と指摘。AIや新技術の導入はもちろん、社会課題の解決には若い力が不可欠だと強く思った。

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