カゴメ ロック・フィールドが業務提携 協業へプロジェクトチームを創設 野菜の産地開発、共同調達でも連携

カゴメとロック・フィールドの両社は「健康寿命の延伸」に向けた協業を更に強化させ、「農業振興」や「持続可能な地球環境」など社会課題の解決にも貢献するため11日、業務提携契約を締結した。新たなプロジェクトを立ち上げ、互いのリソースを最大限に活用する。

両社は2017年から「Social Good Collaboration」の理念を共有し、野菜の彩りやおいしさ、栄養価を最大限に活かした惣菜レシピや商品の共同開発を中心に協業してきた。今回、新たに「野菜と共に創る未来プロジェクト」を掲げ、異業種の業務提携という利点を最大限に生かしたバリューチェーン全体にわたる協業に発展させる。両社は17日記者会見し、社会的価値の共創では「健康寿命の延伸」「農業振興」「持続可能な地球環境」、経済的価値の共創では生産者(調達)、開発・生産、マーケティング(販売チャネル・プロモーション)など多分野で連携を掲げる方針を発表した。

プロジェクトチームの具体的な施策を順次検討するが、カゴメの山口聡社長は「川上から川下までのバリューチェーンの中で、調達は難しさがましており、まずは川上の課題解決の優先度が高い」とし、ロック・フィールドの古塚孝志社長も「優先順位はプロジェクトチームごとで異なが、安定調達が難しい状態で、最優先として産地の共同開発を進め、当面は両社で基盤固める」と語っている。

経済的価値である生産者(調達)の部門に関して、「野菜の共同産地開発」「野菜の共同調達」「野菜端材の利活用」「栽培技術研究」などを指摘。古塚社長は「両社は多くの契約農家とのつながりがある。共同で産地開発や共同調達を行うことで生産者とのつながりを強固にすれば、持続可能な農業実現に向けた取組みが推進できる。生産者と密接に連携することで、環境に配慮した農業技術や効率的な生産体制の構築が可能になり、環境負荷が軽減できる。また品質の高い野菜の安定調達が可能になる」と言う。

また、山口社長は「“畑は大地の工場”との考え方の下、当社は畑とお客様を繋いでいる。農業研究で得た品質や栽培技術を活かし、生活者と共にトマトをはじめとする野菜の栽培に取組み、それらを飲料や食品に加工し、生鮮野菜のままでも提供。トマトのリコピンやにんじんのベータカロテンなど栄養素に関する研究、管理栄養士による情報発信にも注力している。業務提携ではこうしたリソースを最大限に活用すれば、新しい需要創造につながる」と語っている。

開発・生産に関する共創では機能性野菜を使用したサラダ、野菜が手軽に摂れるスムージー、スープ、ラップサラダの開発。チャネルでは駅ナカでのVege Availability、カゴメの販路やD2Cでロック・フィールドの商品の販売、ロック・フィールドでカゴメの「健康直送便」の紹介など販売チャネルの連携。プロモーションではロック・フィールドにベジチャックの設置、ロック・フィールドでの機能性野菜の訴求、野菜の日の統合販促、広告連動、共同での野菜健康セミナーの実施などを検討する。

株式会社アピ 植物性素材