カカオ豆が歴史的に高騰しているカカオショックで値上げ基調にあるチョコレート市場で、フルタ製菓は「チョコエッグ」ブランドに勝算を見込む。
上期(3月期)売上高は、「チョコエッグ」とクッキーの好調が牽引役となり前年同期比9%増で着地した。
好調要因について、取材に応じた乾重一営業本部顧問は、「チョコエッグ」の商品投入数が前上期に比べて多かったことに加えてファンの定着化を挙げる。
下期については、上期の勢いを加速させる気構えをみせ
「『チョコエッグ』は今後もフルタ製菓の柱として大きく貢献してくれる」と力を込める。
10月28日に発売した「チョコエッグ(スーパーマリオブラザーズ ワンダー)」は好調に推移。12月9日には「チョコエッグ(サンリオキャラクターズ)」を新発売した。
「サンリオキャラクターズ」では、2024年サンリオキャラクター大賞で上位の人気キャラクターをはじめ、25年に周年を迎えるキャラクターを用意し「幅広い年代にアプローチできる」と期待を寄せる。
希望小売価格は税込308円。
「チョコエッグキッズ」からは、11月11日に「桃太郎電鉄」を新発売した。
同商品はチョコレートに入ったカプセルを開けると、クリアスタンド1体とミニ目的地カード1枚が出てくる仕立てとなっている。カードは裏と表で異なる絵柄がデザインされる。
「桃太郎電鉄は地名と各都道府県の特産品が覚えられるということで小学校の授業にも採用されていると聞く。大人の反応も期待でき、結果的には二世代で楽しんでいただけるはず」と期待を寄せる。
来年の正月に向けては「ちょこチョコチョコエッグ」のリニューアル発売を12月に予定。同商品は、チョコレートの中にチョコレートとおみくじが入ったもので、年末から来年1月にかけて導入を進めていく。
上期は「チョコエッグ」から「名探偵コナン4」(5月発売)、「ミニオン」(7月発売)、「僕のヒーローアカデミア」(8月発売)の3シリーズを投入した。
例年と比べて1シリーズ多く「昨年実績のなかった7月に『ミニオン』を発売したことに加えて、各シリーズの調子がよかったというダブルの効果があった」と振り返る。
「チョコエッグ」は1999年に誕生。今年、発売25周年を迎えたロングセラー商品であることから、長年培ってきたファンの支持が販売力の源泉となっている。
「デザインしたキャラクターのファンの数が一番多いが、2つめの軸として『チョコエッグ』ファンがいる。この方たちは、どのシリーズでも安定的にご購入下さる。これは25年間やり続けていることの強みだと思っている」と胸を張る。
カカオショックで原料のカカオの安定調達が危ぶまれる中、「チョコエッグ」は、キャラクターやクオリティーで付加価値をつけることに成功している。
販売チャネルは、大手コンビニチェーンのほか、大手スーパーや量販店など。特に大手コンビニチェーンでは発売開始した1999年から採用され高い店舗導入率を維持している。
キャラクター効果により、非食品のチャネルにスポットで採用される事例も多数出てきている。
「キャラクターによりけりだが、書店や日用雑貨店に採用されることが多い。店頭でのキャラクターフェアの盛り上げにもお役立ちできている。『チョコエッグ』は食玩のため、家電量販店のキッズコーナーに置かれることもある」と語る。
「チョコエッグ」ブランドは「チョコエッグ」・「チョコエッグキッズ」「カラフルエッグチョコ」「ちょこチョコチョコエッグ」の4種類がある。
「チョコエッグ」が全世代をターゲットにしているのに対して、「チョコエッグキッズ」は2019年に誕生した小学生向け商品となる。
「チョコエッグキッズ」は、年2回のサイクルで商品を発売。これまでに未確認生物(UMA)を題材にしたラインアップを皮切りに、学研とコラボした「最強王図鑑」シリーズを第8弾まで展開してきた。
「カラフルエッグチョコ」は、プラスチックの中にカラフルな糖衣チョコが入ったもので「振るとカチカチと音が鳴ることから、小さなお子様に好まれている」という。