全日本コーヒー協会(全協)は11月21日、兵庫県神戸市で通常総会を開催し新会長理事にキーコーヒーの柴田裕社長を選任した。
総会後、会見した柴田会長理事は「全協の存在感とコーヒーの日の認知度をしっかり上げていきたい」と意欲をのぞかせる。
全協の存在感については、1990年代終わりから2000年にかけて全協が音頭をとり「コーヒーと健康」と題して、コーヒーの健康価値を発信し多くのメディアに取り上げられるようになった前例に倣い、サステナビリティの発信を先導していくことで存在感を高めていく考えを明らかにする。
その一環として、10月1日の「国際コーヒーの日」でもサステナビリティの発信強化を視野に入れる。
「モカがエチオピアで作られていることやブルーマウンテンがジャマイカで作られていることは一般の方にはあまり知られていない。できれば10月をコーヒー月間に定めて、生活者が産地に思いを馳せるように発信していきたい。このようなことが、生活者がコーヒーに適切な対価をお支払いいただくことにつながる」と語る。
地域振興と兼ねて全国の喫茶店の魅力発信も「全協の仕事」と位置付ける。
バトンを渡した萩原孝治郎前会長理事(萩原珈琲会長)はコロナ禍の真っただ中で業務用コーヒー市場が大打撃を受けた中で会長職に就任し、4年間、手腕を振るった。
コロナ禍を受け、全協の2020/21年事業計画は異例の措置として、正会員と準会員から会費を徴収せずに効率化を図りながら消費振興などに取り組んだ。
予算削減で活動が制限され、さらに対面での会議開催が困難な中、萩原善会長理事はウェビナーを駆使しながら意思疎通を図り会員の合意形成に奔走した。
今年の「国際コーヒーの日」では、初のサステナブルセミナーを開催し、今後のサステナビリティ発信強化の道しるべを示した。
同セミナーはリアル開催のほか、WEBを通じて約400人が参加し好評を博したという。
会見に同席した萩原前会長理事は「(コーヒーの公職を離れるのは)寂しいが、時代は移り変わる。全協の役員も8人が入れ替わった。新たな意見が出てきて発展していくことを願い、バトンを渡させていただいた」とエールを送る。