森永乳業は下期、好調のビバレッジやアイスのさらなる拡大、ビフィズス菌啓蒙や上期苦戦した機能性ヨーグルトの価値訴求に取り組み、通期営業利益285億円(前年比7億円増)達成を目指す。
上期(25年3月期)は主に海外子会社のミライ社(本社・独)が前期に拡大した反動減と物流業務を請け負う国内子会社のコストアップなどが影響し増収減益だった。
国内単体は、主力の「マウントレーニア」やアイスの好調、価格改定効果で主力食品事業が増収増益だった一方、成長戦略の柱となる栄養・機能性食品事業は「トリプルヨーグルト」をはじめとした機能性ヨーグルトの低迷、販促費の積極支出もあって増収減益。
11月8日の決算会見で大川禎一郎代表取締役副社長は「インフレにおける生活防衛意識の高まりが機能性の消費に影響した。ビフィズス菌の効果・効能をよく知っていただき機能性ヨーグルトの価値を引き上げ、エビデンスに基づき効果が発揮できることをアピールしていく」などと述べた。
下期は上期ヨーグルト全体を牽引した「ビヒダス」ブランドを中心にビフィズス菌訴求を継続する。機能性ヨーグルトは様々な健康課題に対応する価値提供やターゲットに合わせたプロモーションを展開し、ホエイなどを「ビフィズス菌BB536」で発酵させた機能性表示食品の乳酸菌飲料「ピュレス」も育成を継続する。25年1月に価格改定する「アロエヨーグルト」シリーズは30周年に合わせた販売を強化。「パルテノ」は関東甲信エリアで中容量の供給を再開し回復につなげる。
25年大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンでは「腸からつくるウェルビーイング」をテーマに出展する。「腸内フローラやビフィズス菌の可能性を感じてもらいたい。『ビフィズス菌といえば森永乳業』と一人でも多くの人に思ってもらう活動を継続する」(大川副社長)。