変わらない風景

仕事で出席したミーティング。海外政府機関の関係者も交えた場にいた約10人のうち、男性は自分も含め2人。日ごろ目にする会合とは逆転した光景に新鮮さを覚えた。

▼こちらは既視感だらけ。新閣僚20人のうち、女性は2人のみ。「たまたま今回だけ」ならそういうこともあろうが、そうでないことは周知の通り。各人の実力以外の要因が働いていなければ、こうはならないはずだ。

▼先の自民党総裁選で各候補の立場が問われた選択的夫婦別姓に関しても、既視感のある光景が繰り返された。就任前には賛意を示していた石破首相だが、代表質問で改めて問われると「国民の間に様々な意見があり、さらなる検討をする必要が…」と歴代政権と代わり映えのない答弁。

▼希望する夫婦は別姓を選べる。希望しない人はこれまで通り。誰にも不利益はない。日本を除くほぼすべての国で導入済み。それで問題が起きている話も聞かない。これだけ長く議論しながら、いまだに導入しない理由が分からない。「様々な意見がある」からこそ、様々な選択肢を提供すべきなのではないか。いつもの理路整然とした“石破節”を聞きたい。