紅茶インストラクターオブザイヤー 産地別「推し紅茶」をアレンジティーに 日本紅茶協会

日本紅茶協会は9月13日、今年のティーインストラクターのトップを決める「日本ティーインストラクターオブザイヤー2024」を東京・中央区京橋の明治屋ホールで開催し、八角美恵子さんの作品「3大銘茶!キーモンの魅力とおすすめオリエンタルアレンジ・黒蜜杏仁アイスティー」がグランプリを獲得した。

ティーインストラクターは、紅茶の知識やいれ方技術などを受講し、日本紅茶協会が発行する資格認定証書を取得した人に与えられる。そこでインストラクターの資質の向上を目的に年度ごとにオブザイヤーを開催。今年は「推し紅茶を推しあげよう!~産地別紅茶の魅力を伝える~」をテーマに掲げ、味や香りが異なる産地別紅茶の魅力を、パフォーマンスを交えながら、その産地の紅茶を使ったアレンジティーで再現し披露した。

産地別紅茶はルフナ、ウバ、ディンブラ、キーモン、アッサム、ダージリン、ニルギリ、キャンディの8種類。8種の産地を選んだ8人によりアレンジティーに再現し、産地の特徴を生かしているか、テーマに沿っているか、パフォーマンス、オリジナリティなどが評価基準となった。

審査には平野孝氏(宣伝委員長、片岡物産)を審査委員長に、竹田一也氏(三井農林)、太田ますみ氏(日本ティーインストラクター会顧問)、業界専門紙2人のほか、当日会場にて抽選で選ばれた5人も審査に加わった。

開会にあたり主催者を代表して日本紅茶協会の秋庭浩平専務理事は、「ティーインストラクター制度は1988年に開始され、これまで2300人以上の人材がティーインストラクターとして全国で活躍している。コンテストは紅茶のプロとして、紅茶のおいしさと魅力を、いかにたくさんの人に伝えられるかがポイントになる」とし、制限時間7分でパフォーマンスを競った。

8人の競技が終わり、審査の結果、八角美恵子さんの作品「3大銘茶!キーモンの魅力とおすすめオリエンタルアレンジ・黒蜜杏仁アイスティー」がグランプリを獲得。記念の盾と副賞が贈られた。八角さんの推し紅茶はキーモン。これを黒蜜杏仁アイスティーに再現した。「推しポイントは、キーモンの優雅でオリエンタルな香り、飲みやすさ、ペアリング」とし、渋みが少なく飲みやすいキーモンに、コクや甘味のある糖蜜を加え、微かにスモーキーなアレンジティーに仕上げた。

準グランプリの水長瑠美さんの推し紅茶はダージリン。作品名は「子どもと一緒に笑顔で乾杯!香りを楽しむティーパーティー・ダージリン・ヒマラヤサンライズ」、3位の竹内千晶さんの推し紅茶はアッサム。作品名「いつものミルクティーにひと工夫を!アッサム茶葉を贅沢に使ってお家でおしゃれカフェ気分♪・アッサム茶葉を贅沢に使ったバタースコッチティーラテ」。

競技を終えて平野審査委員長は「産地別の推し紅茶をアレンジティーに再現するのは難しかったと思うが、様々なアイデアが発表され、情熱のこもったパフォーマンスを見せてもらった。産地別紅茶は香りが特徴。楽しい一日を過ごすため、産地別の香りを楽しむスタイルが広がればうれしい」と総評を述べた。

各産地の紅茶を試飲 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
各産地の紅茶を試飲

一般来場者には8種類の産地別紅茶を味わうため試飲コーナーを設置した。競技者の友達として参加した女性は、「夫が中国人なので、家の中で中国紅茶を楽しみ、軒先のキンモクセイを摘み取り、乾燥させて飲むこともある」と本格派。独自にセミナーを開いている女性は、「メディアで活躍するなど、紅茶のことを聞くならこの人、というような人が出てくれば、より浸透するのでは」と提言した。

以前、紅茶販売をしていた女性は日本茶の勉強の一環として参加。「年ごとに和紅茶が進化しており、10年ほど前と比べて驚きだ」と感想。「ケーキとの組み合わせだけでなく、お料理との組み合わせがあってもいいのでは」や、男性ファンを増やすため「甘いものだけでなく、アルコールとの相性があってもおもしろい」などの意見が出た。

また紅茶専門店の開業を目指す男性は「今回のテーマはアレンジティーだが、もっと素材の良さを知ってもらうためのイベントがあってもいいのでは」などの声もあった。

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