味の素AGFと群馬クレインサンダーズが地元貢献へ一歩 特別支援学校の小中学生を対象にバスケットボール体験会

 味の素AGFと群馬クレインサンダーズは9月16日、KAKINUMAアリーナ(群馬県邑楽郡)で群馬県立太田特別支援学校の小中学生らを対象にバスケットボール体験会を共同で開催し、両者の地元である群馬県太田市ひいては群馬県への貢献に向けて一歩踏み出した。

 AGFは、太田市にグループ会社で東の生産拠点のAGF関東を構え1995年(当時:グリーンバック社)から稼働している。

 一方、群馬クレインサンダーズを運営する群馬プロバスケットボールコミッションは、太田市と地域活性化に関する包括連携協定を締結し2021年7月にホームタウンを前橋市から太田市に変更。今年7にはAGFと2024-25シーズンのオフィシャルパートナー契約を締結した。

群馬クレインサンダーズのマスコット「サンダくん」とAGFのマスコット「ビーン太くん」を囲むAGF島本社長(左)、太田市の清水市長(中央)、群馬プロバスケットボールコミッションの阿久澤社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
群馬クレインサンダーズのマスコット「サンダくん」とAGFのマスコット「ビーン太くん」を囲むAGF島本社長(左)、太田市の清水市長(中央)、群馬プロバスケットボールコミッションの阿久澤社長

 パートナー契約について、体験会で取材に応じたAGFの島本憲仁社長は「太田市に30年近く生産拠点を構え、本来はもっと早くやらなければならなかった。単年の契約だが、やめてはいけない。長く続けていくうちに市民の皆さまに愛されるようになり、AGF関東で働く社員が誇りを持てるようにしていきたい」と力を込める。

 体験会は、パートナー契約に基づく初の活動。二部構成で、車いすバスケットボールチーム「群馬マジック」(東群ホールディングス)による「車いすバスケ体験会」も開催された。

 第一部では、太田特別支援学校31人の小中学生と保護者が参加。遊びの要素を盛り込んだプログラムを実施し、チーム戦には辻直人選手と野本建吾選手が加わり一層の盛り上がりをみせた。

 同校の渡邉敬子校長は「教室でバスケットボールを使って体を動かすことはあるが、小学生から中学生までが一緒になり、さらに保護者の方も加わって、全員が楽しむことができた素晴らしい企画。子どもたちも予想以上に活発な動きをみせ驚いている。継続していただきたい」と笑みを浮かべる。

第二部「車いすバスケ体験会」に参加する野本選手(左)と辻選手(右) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
第二部「車いすバスケ体験会」に参加する野本選手(左)と辻選手(右)

 子どもらと触れ合った辻選手は「両親が福祉施設で働いており、大阪の実家に帰省する際には施設に顔を出したりしている。このような経験が今回もいかせるのではないかと考え、特別な感じとかではなく、普段通りに接していきたいと思って臨み、親御さんも一緒に楽しんで下さり本当に良かった」と振り返る。

 野本選手も「バスケットボールを通じてみなさんと触れ合うことができ楽しかった」と述べる。
 体験会に来賓として招かれた太田市の清水聖義(まさよし)市長は「特別支援学校の子どもたちがバスケットボールを通じて喜び合い、開放的で非常に楽しい雰囲気に包まれ、群馬クレインサンダーズさまとAGFさまに感謝している。今度は高等部でもやっていただきたい」と語る。

 今後について、群馬プロバスケットボールコミッションの阿久澤毅社長は「本日がAGFさまとのお取組みを開始した記念すべき日。太田市に縁のあるもの同士が手を結びスタートが切れたのは本当に大事なこと。相乗効果で地元の方々の認知が上がり、市民の期待感が高まり事業が拡大していく可能性もある」と期待を寄せる。

第一部「太田特別支援学校バスケ体験会」の参加者 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
第一部「太田特別支援学校バスケ体験会」の参加者

 群馬クレインサンダーズは2010年に設立。

 阿久澤社長は、オーナーのオープンハウスグループから白羽の矢が立てられ20年から現職。
 桐生高校時代には高校野球で王貞治以来の2試合連続ホームランを放つなどチームをベスト4に導く活躍を見せ、卒業後は群馬大学に進学し卒業後37年間にわたり教師を務めた。

 群馬クレインサンダーズでは、設立当初より「クレインサンダーズ恩返し」を掲げ社会貢献活動に積極的に取り組んでいる。

 ホームタウンを太田市に変更した21年には、阿久澤社長が太田市の教育委員会に学校給食の牛乳パックの側面に群馬クレインサンダーズのマスコット「サンダくん」をデザインしてもらうことを提案。これが受け入れられ、現在、群馬県東毛地域で1日4万個の「サンダくん」デザインの牛乳が出荷されている。

 「子どもたちがターゲットになるのではないかと考え、B1リーグ昇格の前年に、太田市の教育委員会にお願いしたところ、東毛酪農直販さまを紹介いただいた。お願いに訪れると代表理事組合長さまから無償でやって下さるとご快諾をいただいた」という。

 企業向けの講演会で得られた収益をオリジナルキャップの製作費に充てて、群馬県の小学校に無料配布する活動も継続している。

「車いすバスケ体験会」の参加者 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「車いすバスケ体験会」の参加者

 これらの活動により群馬県内で群馬クレインサンダーズの認知は上昇。

 「2026年のプレミアリーグ入りの条件の1つには4000人以上集客があるが、昨年、オープンハウスアリーナ太田がオープンして平均5200人を記録して、あっという間に条件を全てクリアしてしまった」と語る。

 10月3日には、りそなグループB.LEAGUE 2024-25シーズンが開幕する。

 「一番強いチームになることを目指している。社会貢献活動にもいろいろな意味で頑張り、バスケで群馬を熱くしていく。バスケ以外でも皆さんに注目されて“いいことやっているね”“いい取り組みだね”と思ってもらいたい」との青写真を描く。

 辻選手も「プロとしての姿をみせていくのが最大の役割。スポンサーになって下さったAGFさまにも喜んでいただけるように結果を出し続けていく」ことを思い描く。

 今後の両者共同の活動としては、市民や選手らを交えて「AGF®ブレンディ®の森」群馬森づくり活動やAGF関東の工場見学会などを予定。

 試合の休憩時間でのサンプリングも計画している。

 AGFの島本社長は「お子様を応援する親御様や先生を応援する、チームを応援するファンを応援する、といったように“応援する人を応援する”のがAGFらしさだと思っている」と述べる。

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