食肉卸大手のスターゼンは9月3、4の両日、東京・品川区の本社で「2024年スターゼングループ秋冬商品提案会」を開催した。毎年春に実施している提案会に加え、今年から新たにスタートした催し。
初日に会見した鶉橋正雄常務は「当社の現在地を知っていただく機会としたい。近年は内食、中食、外食の垣根がなくなるとともに、消費者の価格重視志向や、日常使い・非日常の二極化が生まれている。また(牛肉など)輸入原料が高騰するなか、国産原料を様々な角度から提案する」と説明した。
コロナ禍で増えた家飲み需要も落ち着くなか、酒税改正や生活防衛意識の高まりから食卓の風景も徐々に変化。高くつきがちな外食を避け、自宅で飲むニーズも再び増えつつある。こうした背景も踏まえ、家庭では難しい居酒屋・外食メニューを手軽に楽しめる商品を品揃えした。
新商品では、煮込みシリーズとして新たに「とんそく」をラインアップ。季節による需要変動が少ない豚足煮込みを秋口から展開することで、通年で展開できる売場づくりを提案する。
このほかごま油を効かせたオリジナルのタレに漬け込んだ「巾着ホルモン」は塩と味噌の2品を投入。家庭でも短時間で楽しめる「もつ鍋セット(醤油味)」も通年商材として発売したほか、一つのパックでローストビーフとローストポークを楽しめるアソートセットなども新たに展開する。
提案会場では新商品の展示や試食とともに、同社の事業についても紹介。通常の約2倍のビタミンB1が含まれた国産豚「こだわりポーク」や、マイナス温度帯のまま凍らせずに熟成させた「氷感豚」、低温でじっくり真空調理した特定加熱食肉製品のローストビーフなどの食肉製品に加え、同社グループの温室効果ガス削減目標が国際認定のSBT認定を受けるなど、サステナビリティや様々な社会課題への取り組みについてもアピールした。