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加工食品菓子ブルボン、関東大震災を受け“地方にも菓子の量産工場を”との決意から創業 不確実性が増大する中で社会や自然との調和を重視

ブルボン、関東大震災を受け“地方にも菓子の量産工場を”との決意から創業 不確実性が増大する中で社会や自然との調和を重視

 関東大震災で地方への菓子供給が全面ストップしたことを受けて「地方にも菓子の量産工場を」との決意のもと、大震災から約1年後の1924年11月、新潟県柏崎(市制施行は1940年)で創業したブルボン(当時・北日本製菓)。地震など自然災害への危機意識を常に持ちつつ自然との調和を重視して千年の大計を描く。

 創業者は吉田吉造(きちぞう)氏。同氏が立ち上げた北日本製菓は、今年で創業153年を迎える柏崎市の和菓子屋「最上屋(もがみや)」から発祥。10万円を元手に柏崎駅前でビスケットの製造を始める。

 創業の経緯について、取材に応じた四代目・吉田康社長は「支援物資を考えたときに、日持ちがして栄養価が高いものが一番喜ばれるということでビスケットの製造を開始した」と説明する。

 以来、災害や社会的困難が発生した際にも「お役に立てる企業であり続ける」という創業の原点を継承。常に大自然の変動リスクと向き合いながら経営のかじ取りを行っている。

 阪神淡路大震災が発生した翌年の1996年から吉田社長は現職。「関東大震災の翌年に事業を興した初代の感覚に近かったと思う。人口が減少する中で大都会に本社を移転するなどいろいろな選択肢がある中で、地方で挑戦を続けようと決めた」と振り返る。

 ブルボンを世界にも通用する事業規模に拡大しつつ、地域貢献をダイナミックに行っていくことを志向する。

 「われわれ一企業では人口減少に歯止めをかけられないが、従業員が本社で働きたいと思ってもらえるようにする。そのためにも、従業員のご家族のことも考えて教育や医療がしっかり受けられるレベルの都市機能を維持していただかなければいけない。100年やってきたから、もう100年ではなく、1000年単位の長いもの差しで考えなければいけない」と力を込める。

 阪神淡路大震災を境に新たな1000年が始まっていると吉田社長はみる。

 「能登半島地震は4000年に一度のレベルで起きたとの学者の見解もある。地層を調査している方の話によると、少なくとも6000年の中で5回は大地震が発生しているという。活断層が大きく動いていない南海トラフなどがあり、その次が今起きようとしている。近年の地震はその警鐘のように思える」と危機感を持つ。

 自然災害に加え、地政学リスクも高まり不確実性が増大する中、社会全体や自然との調和に重きを置く。

 経営理念に「利害相反する人を含めて、集団の生存性を高める」を掲げる。

 「未来には大変なことが起こることも想定する必要がある。その中で生きていくには、利害が異なる個が集まって全体の組織になっても生存性を第一にすべき。個が多少の制約を受けながらも、バラバラの社会ではなく秩序を持った人間社会を構築すべきと思う。会社のことだけでなく、社会全体のことを考えながら経営していく」と語る。

 物づくりについては「もう少し自然をうまく活用したような物づくりや食品を考えたい。例えば、太陽活動周期は約11年周期とされ農作物などいろいろなものに影響を与えており宇宙と常につながっていると考えられる」と話し、サステナブルを推進しバイオの領域にも挑む。

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