15.7 C
Tokyo
16.9 C
Osaka
2025 / 11 / 11 火曜日
English
加工食品乾麺・乾物手延素麺「揖保乃糸」 地理的表示(GI)登録 兵庫・揖保川流域から世界へ
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

手延素麺「揖保乃糸」 地理的表示(GI)登録 兵庫・揖保川流域から世界へ

兵庫県手延素麺協同組合が生産する「揖保乃糸」は、8月27日に農林水産省より地理的表示(GI)に登録された。

兵庫県の揖保川流域の肥沃な土壌を背景に、約600年にわたり伝統的な製法を受け継いで高品質な手延素麺を造り続けており、業界№1の生産量を誇る。井上猛理事長は「国内の消費者に改めて『揖保乃糸』の価値を伝えながら、海外の市場開拓にも注力したい」などと語った。今後は製品パッケージなどでGIマークを訴求予定。

GIは各地域で育まれてきた品質や評価を有する農林水産物・食品のブランドを保護するもの。兵庫県手延素麺協同組合の「揖保乃糸」は、素麺づくりに適した環境のもと、「厄」と呼ばれる専用倉庫での熟成方法を行ってきたほか、明治27年(1894年)には統一基準による製品検査と等級分けを導入、「揖保乃糸」ブランドとして常に先進的な取り組みで品質向上を図ってきた。現在では、ゆでのびしにくく滑らかな舌触りとコシのある歯切れの良い食感は世間でも広く知られるところ。

農水省の舞立昇治農林水産大臣政務官にGI登録証を授与された井上理事長は、自身が理事長に就任した2001年頃からの取り組みを回顧。「まずは安全・安心な製品を追求するため、当時約500軒(現在約400軒)だった生産者とともに品質管理のレベルアップを徹底した。また乾麺の市場が縮小傾向にあった中、多様な消費者ニーズに応えるべく、定番の『特級』『上級』にとどまらないラインアップの強化(内麦使用・ひやむぎ・中華麺・パスタなど)も推進、店頭の売場づくりに注力してきた」と説明。

また海外戦略を振り返り「05年頃からアメリカ、東南アジア、ヨーロッパなどのイベントに参加し、世界で『揖保乃糸』の価値訴求に取り組んだ。直近の24年秋は韓国、台湾、バンコク、ロサンゼルスでGI登録された『揖保乃糸』をアピールしていく」と話した。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点