50億人以上が水不足 水資源保全へ「サントリー天然水」が次世代を啓発し自ら考え主体的な発信を促すプロジェクト始動

 現在、36億人が少なくとも年間1か月は水へのアクセスが不十分な状態にあり、2050年には50億人以上に増加すると予測されている(世界気象機関2023年発表)――。

 このような予測を背景に、サントリー食品インターナショナルは、「サントリー天然水」を通じて幼児から高校生までの次世代を対象に、水は限りある資源であることを知らしめるとともに水資源の保全について自ら考えてもらう活動を始動する。

 次世代に水や水を育む森の大切さを伝える活動はサントリーグループでかねてより実施。今回、“次世代ウォーター・ポジティブ プロジェクト”を立ち上げ、新たに高校生も対象に加えて各年齢層に合わせた体験・参加型の施策を実施する。

 これにより環境や社会に貢献するとともに「サントリー天然水」をより身近に感じてもらうのが狙い。

水を育む森には多様な生物が存在する - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
水を育む森には多様な生物が存在する

 7月31日、“次世代ウォーター・ポジティブ プロジェクト”発表会に登壇した多田誠司ブランドマーケティング本部部長は「水資源には限りがあり、水資源は非常に少ない。日本も例外ではないことを理解していただき、さらに“自分で何かできることはないか”と自分事化していただくことがこのプロジェクトの最大の目的」と語る。

 同プロジェクトでは、幼児から小学生向けのイベント・小学校での水の授業・高校生主体の啓発活動の3つの施策を柱に、各年齢層に体験・参加型で水への学びを深める啓発施策を行い、26年までに累計10万人との接点を持つようにする。

 幼児から小学生向けのイベントでは、北アルプス信濃の森工場と奥大山ブナの森工場で、スタンプラリーを通じて水を育む森には多様な生物が存在する“豊かな森”について学ぶ機会を提供するほか、自由研究イベントを期間限定で実施する。

 小学校に対しては、“水を未来につなごう”プログラムを今年5月より展開。小学校教員に社会科「水」単元をターゲットにしたプログラムを提供。プログラムは水の有限性や自分でできる活動を児童が自ら考える内容に設計されている。
 「開始時は5000人規模を上限にしていたが、想定を上回る応募をいただき、来年からは今年の10倍以上となる5万人以上に拡張し、児童からその家族にも伝わるようにしていきたい」と意欲をのぞかせる。

サントリー食品インターナショナルの多田部長(中央左)と水ジャーナリストである武蔵野大学の橋本客員教授(中央右)、「ウォーターポジティ部」の高校生 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
サントリー食品インターナショナルの多田部長(中央左)と水ジャーナリストである武蔵野大学の橋本客員教授(中央右)、「ウォーターポジティ部」の高校生

 水資源について自ら考え、さらに発信を促すものとして「ウォーターポジティ部」を発足。水が好きな高校生有志約20人がチームとなり、公式インスタグラムアカウントで学んだことを同世代に対して主体的に発信する。

 同施策について「高校生になれば、SNSを通じて自らの言葉で発信していただける。企業が言うのではなく、高校生が自分の言葉で発信していくことが大事だと考えている。我々からも学びとなるようなものを提供していく」と説明する。

 ゲストに招かれた水ジャーナリストで武蔵野大学客員教授の橋本淳司氏は、冒頭の世界気象機関の発表などを引き「行政や企業が連携しながら水源を守っていくのが今後のあるべき姿。このようなことを若い世代に知っていただくと同時に、具体的に何ができるのかを考えて実行していただくということが水を守ることにつながる」と呼びかける。