“おいしく熱中症対策”を訴求 「世界のKitchenから ソルティライチ」が原点回帰 キリンビバレッジ

 キリンビバレッジは、「世界のKitchenから」ブランドの「ソルティライチ」で原点回帰を図り、夏場に向けて“おいしく熱中症対策”を訴求していく。

 「ソルティライチ」の原点は、タイの家庭の知恵にある。タイの家庭で暑い時期に作られる冷たいデザート“ローイゲーオ”をヒントに、“暑い時期もおいしいもので乗り切ってほしい”という思いから生まれた。

 誕生したのは2011年7月。当時、東日本大震災の影響で夏場の電力不足や冷房の使用制限が取り沙汰された中、おいしく熱中症対策できる飲料として発売された。

 5月17日、取材に応じた髙瀬友紀マーケティング部ブランド担当主任は「『ソルティライチ』は夏場、当社商品のなかでも非常に高いカバー率・回転率を誇る。改めて原点回帰し、素材のおいしさを楽しみながら熱中症対策ができるという特長を訴求していく」と意欲をのぞかせる。

キリンビバレッジの髙瀬氏 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
キリンビバレッジの髙瀬氏

 この考えのもと、各アイテムのパッケージを刷新。主力アイテムの500mlPETはラベルの透明な部分を増やして、すっきりとしたおいしさの印象を高めた。

 細部にもこだわり、ブルーの飾り枠の中央には、タイの王宮をイメージしたシルエットをあしらい、ライチのイラストも、より鮮やかな赤へと磨きをかけた。

 「中味のリニューアルも検討したが、現行品の評価がかなり高いことからそのままとした。パッケージは『ソルティライチ』の丁寧なものづくりや、品質感を伝えるデザインを意識した」と語る。

 原点回帰を図るべく各アイテムには新たに「おいしく、こまめに塩分・水分補給」の文言を記載している。

 「改めて『ソルティライチ』で何ができるか考え、おいしいもので熱中症対策を行っていただきたいという原点に立ち返り、より止渇の領域に振ったパッケージデザインにリニューアルした。“おいしく、こまめに塩分・水分補給”というメッセージをよりわかりやすく大きく打ち出すことで、ますます暑くなる夏を、思い切り楽しく乗り切ってほしい」との思いを込めた。

 文言の“おいしく”は、一般的なスポーツドリンクにはない、スポーツドリンクの機能性と低果汁飲料の嗜好性を兼ね備えた「ソルティライチ」ならでは強みと同社では捉えている。

 「嗜好性のみの低果汁飲料でも、完全に止渇系のスポーツドリンクでもない、唯一無二のポジションだと考えている。すっきりごくごく飲みつつも、味もしっかり楽しめるおいしさがある点が差別性になっている。“この味でないと”というお客様もかなりいらっしゃる」と胸を張る。

 素材にこだわっている点も支持を集める。

 「まろやかな味わいの沖縄海塩を使用している点が、こだわりを持つお客様に受け入れられている。物価も上がるなか、“どうせ買うなら自然素材を使ったいいものを買いたい”という需要も非常に高まっている」と説明する。

 夏場の施策については、昨年に引き続き“おいしく熱中症対策”を継続して伝えていく。

 「“おいしく熱中症対策”は『ソルティライチ』のスローガンのようなものなので、今年もPOPなどに入れる。昨年行っていた屋外広告や、ギフティングも選択肢に入れている」という。

 情緒的価値を訴求するコミュニケーションも検討している。

 「SNS上で、暑い日に配達員の方に『ソルティライチ』をプレゼントし喜んでもらった、という投稿があった。その投稿で、『ソルティライチ』はもらって嬉しい気持ちになれる商品だなと思った。おいしく熱中症対策ができる商品ということは継続して訴求しながら、その先にある、夏の楽しさや嬉しい気持ちをお届けできるようなメッセージを伝えていきたい」との考えを明らかにする。

 今後は、女性の購入率が近年上昇傾向にあることに着目し。30-40代の女性層をメインターゲットに定め、量販チャネルを中心に開拓していく。
 「30‐40代の女性のお客様が多い量販の展開を強化する。お子さんとも一緒に、おいしい果汁飲料として家族で飲んでいただきたい」と力を込める。

 パウチは継続販売する。

 「昨年は3月から発売したところ、凍らせて楽しめる点が非常に好評で8月初旬には終売となってしまった。秋頃まで暑い日が続いたため、終売後は”もう売っていないのか”とのお声も多数いただいた。用意できる数量はあまり変わらないが、今年は発売開始を5月下旬からと後ろ倒しにしたことで、昨年より長く楽しんでいただける」とみている。

 「熱中症対策アドバイザー」の活動も継続。同社は2019年から、社員の「熱中症対策アドバイザー」資格取得を進めている。

 23年は資格を持つ286人の社員が全国各地でセミナーなどの啓発活動を実施。大阪府とコラボレーションし、熱中症対策を呼び掛けるポスターを自販機などに貼るといった活動も行った。

 今年も、「ソルティライチ」と併せた啓発活動を実施し、熱中症対策の重要性を発信していく。

 2024年の出足は、1-2月が大型PETの動きもよく好調。4-5月は、500mlPETが前年比2桁増で推移と夏場へ向けて勢いづいている。

 今年は、昨年発売の「ソルティライチプラス」「にぎやかベリーズ」が販売終了となり、アイテム数が減るなかでも前年と同水準の販売数量を目指す。

 「少ないアイテムでも、『ソルティライチ』のリニューアルが成功し、猛暑の恩恵があった昨年と同程度にしたいと考えている。夏だけでなく、秋冬にも水分補給のニーズを取っていきたい」と意欲をのぞかせる。

北大西洋の豊かな海が育むアイリッシュシーフード 8月5日はパン粉の日