アメリカン・エキスプレスインターナショナル(以下A・E)は6月13日、B2B(企業間決済)キャッシュレス化に関する最新動向調査を都内で発表したほか、加盟店事業部門を統括する谷川美紀副社長と、ユーザー代表としてカクヤスグループの前垣内洋行社長などとの座談会を開催した。谷川副社長は法人カード導入による与信審査・管理や売掛金回収の手間とコスト削減などのメリットを訴えた。
経済産業省によると、23年の国内キャッシュレス決済率は、主に個人消費者決済が牽引し、過去最高の39・3%を達成した一方、B2B(企業間決済)は遅れており、780兆円の市場規模に対してキャッシュレス取引額は約5兆円程度にとどまっている。
A・Eは、インフレや人材不足に直面している国内の中小企業は生産性向上が喫緊の課題で、「決済のデジタル化推進によるバックオフィスの業務効率改善が必要」と訴えた。
同社の調査(約1千人)では、企業間取引における主な決済方法は、銀行振込、口座振替、現金が多く、クレジットカードは4番手。カード以外の主な理由は「昔からの方法だから」との商習慣だが、カード利用の理由は「効率が良い」だった。
最近では、インボイス制度導入や今後の約束手形廃止など社会制度がキャッシュレス化を後押しし、カード利用が伸長している。
谷川副社長はカード導入の請求側メリットとして「回収の手間削減」「与信管理」などを挙げ、(手形など)一般的に数か月先になる代金回収はカード事業を介することで1か月後に短縮されること。与信管理も「われわれの営業がお手伝いさせていただく」などと利点を挙げた。
カクヤスの前垣内社長も導入メリットとして「回収にかかる手間の削減」などを挙げた。