全粉卸 新会長に大和産業・川上俊行氏 

全国小麦粉卸商組合連合会は4日、都内で「第65回通常総会」を開催し、すべての議案が承認された。任期満了にともなう役員改選では、新たに川上俊行氏(大和産業社長)が会長に就任した。

総会終了後は、前農林水産事務次官の枝元真徹氏による新たな「食料・農業・農村基本法」の制定と「持続可能な食料システム」に関する講演会を開催。枝元氏は国内外の市場変化や日本経済の世界的地位低下、自然資本を持続可能な形にする必要性を説明しながら、基本法改正の方向性について紹介した。

小麦粉業界が対応すべき方向性について枝元氏は、小麦の過度な輸入依存を低減するため、安定した輸入と備蓄を組み合わせつつ、国内麦の生産拡大などの構造転換や、国内外市場と食料システムの変化に的確に対応し業界の持続的発展を図ることが重要と基本法の骨子に基づき指摘した。

懇親会では川上会長が「2度目の会長職を拝命することになった。当連合会は小麦粉卸商の全国団体ということでしっかりと職を務めたい。小麦粉卸商を取り巻く環境は様々なコスト高で厳しい状況だ。枝元氏の講演でも触れられていたが、国内麦は品質が向上しているし、生産量も年間100万tにまで達している。引き続き皆さまのお力添えをお願いしたい」と呼びかけた。

来賓の製粉協会宮原朋宏会長(日東富士製粉社長)は「小麦の国際価格は下げ基調で推移していたが、4月に欧州の天候不順や黒海地域の乾燥、5月初旬のロシアでの霜害発生でシカゴ相場は9か月ぶりの高値をつけている」と現状を説明。

一方で「国内の経営環境は物流問題や人手不足もあり、極めて厳しい状況となっている。こうした中、貴連合会ではワークショップを立ち上げ、様々な課題に対する討議や勉強会など積極的な取り組みを進めている。当協会としても最大の使命である小麦粉の安定供給を果たしていく」とあいさつし、乾杯の発声をした。