紀文食品「お正月プロジェクト」 本並・丸山夫妻 おせちに挑戦 料理家・三浦氏「行事育」提唱

日本の伝統行事であるお正月とおせち料理を見直そうと、紀文食品は今年から「家族でつくろう!お正月プロジェクト」をスタートしている。高齢化や夫婦共稼ぎの増加、価値観や行動様式が変化する中で、幸せな家族の象徴である正月におせち料理を食べながら絆を深めるためプロジェクトを始動。2030年までを目標に様々な活動を計画している。

その第一弾となるキックオフイベントが7日、東京・千代田区丸の内のABCクッキングスタジオで開かれた。開催に先立ち紀文食品の堤裕社長は、「1950年よりおせちの主役であるかまぼこ、伊達巻などを製造開始し、伝統行事である大切なお正月のおせちの啓蒙活動をしてきた。おせち料理の楽しみ方やお正月料理の大切さを発信し、次世代へ継承するとともに未来に向けて進化、発展させることを目指している。その活動の一環としてプロジェクトが発足した。家族皆で主体的に楽しむことで、わが家の記憶、未来の思い出として絆を育んでほしい」とあいさつ。

プロジェクト事務局の丸山綾奈氏は「1月に行ったグループインタビューでも、お正月に家族と健康を願う気持ちや、家族で集まり、のんびり、ゆったり過ごす空気感が続いてほしいと願う気持ちは、全世代で変わらないことが分かった。今後も啓蒙活動、おせち提案、レッドカップキャンペーンを通して、お正月とおせち料理の大切さと慣習を次世代に伝えていく」と紹介した。

かまぼこ12支の飾り切り - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
かまぼこ12支の飾り切り

トークショーでは、元サッカー日本代表選手の本並健治氏、元なでしこジャパン選手の丸山佳里奈氏夫妻をゲストに迎え、和文化研究家で「行事育」を提唱している三浦康子氏が、ABCクッキングの安河内みゆき氏とともに、普段料理をあまりしないという本並氏に、おせちのアレンジレシピを指導。丸山氏は、夫がつくったおせち料理のお重詰めを披露した。

三浦氏は、「行事は文化、愛情、食べもの、知識、智恵などを含む」とし、人としての根っこであり、絆が深まり、心豊かになり、賢く元気になると『行事育』を提唱。お正月料理の定番である紅白かまぼこや昆布の意味を夫妻に伝えた。

イベント後、國松浩取締役兼常務執行役員営業本部長は、おせち需要の立ち上がりについて、「コロナが明け、人流が回復したことはおせち料理にとって最もフォローの風だ。今年のお盆も帰省率はあがっており、恐らくお正月もこうした流れが続くだろう。集う機会が増えることでおせち需要が増えることを期待している」とし、正月商品事業企画室の堀内慎也室長も「人が動いてきたので出足は好調」などと語った。