薄利多売の飲料業界で適正な利益を得るべく価格改定の動きが再び起こりそうだ。
コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスのカリン・ドラガン社長が11月10日開催された決算説明会で「2024年内のさらなる価格改定の実施に向け、あらゆるオプションについて、これまで以上に検討を深めていく」と語ったためだ。
同社は昨年5月から計4回の価格改定を実施。実施後、効果的なマーケティング活動や店頭での営業活動で数量影響を最小限に抑制し、夏場の最需要期に価格改定効果を最大化させた。
価格改定によりケース当たりの納価を改善し増収と利益改善に貢献したとし、同社では価格改定を収益性改善の最重要施策と位置付けている。
「価格改定の効果は計画通りに発現しており、今後につながる多くの学びを得ることができた。コスト環境が引き続き厳しいこの飲料業界において価格改定が収益性改善の重要な選択肢となり得ることを再認識した」との見方を示す。
さらなる価格改定検討の背景には、原価高騰や円安が続くとの見通しがある。
ビヨン・イヴァル・ウルゲネス副社長CFOは「(PET樹脂やアルミ缶などの)コモデティ価格の問題に加えて、円がさらに弱くなっている。円ベースのコストが我々のビジネスの中にある」と述べる。
カリン・ドラガン社長は、諸外国と同様に日本市場もインフレが進んでいるとの見立ての下、「我々としては価格改定の機会を今後数年間、検討していこうと考えている」と語る。