流通・飲食伊藤忠食品 大阪の商店街と連携 高齢者の買物を支援

伊藤忠食品 大阪の商店街と連携 高齢者の買物を支援

大阪市の駒川商店街(東住吉区)は伊藤忠食品が展開する配送インフラを活用し、当日宅配サービスを始めた。

同商店街は天神橋筋、千林と並ぶ大阪三大商店街の一つ。南北約750mにわたるアーケードに約200店が軒を連ねる。精肉店や青果店など生鮮食品を扱う店が多く、品揃えに特徴のある肉やスーパーよりも安い野菜を求め、遠方からも多くの買い物客が集まる。

一方で、顧客の高齢化が進み「最近は買い物したものを持って帰るのが困難という問題が表面化していた」(駒川商店街振興組合・小松和也事務局長)という。その中で偶然、伊藤忠食品との縁があり、今回の宅配サービスが実現。5月中旬、開始に至った。

利用者は商店街で購入したものを組合の事務局まで持参する。15時半までの受付で、配達エリア内(半径2㎞圏内)の自宅へ当日中に配送。1回5個口までは500円(税込)。毎週火曜日と年末年始は休む。

配達エリア内の人口は約21万人で、65歳以上が約4分の1を占める。

大阪三大商店街のひとつ駒川商店街
大阪三大商店街のひとつ駒川商店街

課題の一つはサービスの認知度を高めること。若年層と異なり、SNSに慣れていない世代へどうアプローチするか。まずは、コメや水などの重いものを扱う商店と連携し、知名度アップに努める。「秋の売り出し期間に連動させ、ポスティングなどを通したPRに力を入れる」(同・寺世基宏専務理事)。

もう一つの課題が低温食品の扱い。需要が増えれば、事務局内に保管用の冷蔵庫を導入することも視野に入れる。「伊藤忠食品と連携することで商店街だけでは難しいサービスを実現できた。買い物客の利便性を高めるとともに、来街者の増加と地域の活性化につなげたい」(寺世専務)。

伊藤忠食品は07年から宅配サービス事業を開始しており全国のスーパーや百貨店など7社で実施している。商店街との取り組みは今回が初めて。

同事業を担当する西日本営業本部の東郷哲也課長補佐は「地元に密着した商店街にアプローチし、事業を広げたい。運ぶ量が増えればコストも下がる。そういう状況に持っていくことが大事」としている。

関連記事

インタビュー特集

Mizkan フルーティス刷新(後編) 「新・果実体験」を提供 リフレッシュしたい時に

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。家庭用では業務用で人気の「シャインマスカット」「あまおう」「白桃」を、家庭用・業務用の双方で「ざくろ」を新発売した。

Mizkanフルーティス刷新(前編) 果実のおいしさが主役の新製法 マーケティング本部 田中菜々美氏に聞く

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。

学生が育てるアーモンドの木 明日の社会へ価値循環 デルタインターナショナル×キャンポスブラザーズ

アーモンドの世界的産地である米カリフォルニア州でも、トップクラスの供給量を誇るキャンポスブラザーズ社。日本の販売総代理店を務めるデルタインターナショナルでは、学生の手でアーモンドの木を育てて商品化することを目指す玉川大学の...

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。