コカ・コーラボトラーズジャパン(CCBJI)は、トラックドライバー時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」に対してSCMの取り組みを進化させて輸送距離を削減していく。
2024年問題への対応について、6月から現職のコカ・コーラボトラーズジャパンのアンドリュー・フェレット執行役員最高SCM責任者兼SCM本部長は11日、「製造の柔軟性をより高めていく。多品種小ロット製造で、なるべく自社工場で製造できるようにして地産地消を進める。これにより輸送距離と在庫を削減しCO2削減にもつなげる」と語る。
地産地消には、ローカルのメーカーを活用して、各地域の一番適した場所で製造し、その製造拠点と同じ地域で販売することにも取り組んでいく。
競業他社との共同配送や倉庫の共有化にも前向きな姿勢を示す。
そのほか「出荷用バース(荷積みスペース)のスケジューリングにテクノロジーを導入してトラックの待ち時間を短縮するといった取り組みにこの2年ほど注力して地産地消を進めている」。
アンドリュー・フェレット氏は、コカ・コーラビバレッジ南アフリカでサプライチェーンエグゼクティブを務め、コカ・コーラ・ビバレッジズ・アフリカの合併に伴うサプライチェーン統合を主導。
SABミラーでサプライチェーンエグゼクティブを務めた経験もある。
SCM畑を長年歩み2020年4月にCCBJIに入社。インテグレイティッドサプライチェーン統括部長として、財務・調達・営業など複数の部署を巻き込み人材育成に腐心してきた。
「リーダーは働く人たちを支える存在。自分の下で働く人が成功し、それが会社の成功につながるようにする。SCMの仕事やみんなと一緒に仕事をするのは楽しく、各人が能力を最大限発揮すべくモチベーションを高めていくのもとても楽しいこと」と述べる。
SCMの今後の方針については、前任のブルース・ハーバート氏が率先して築き上げてきたチーム力を土台に「(チーム力を)よりスピーディに高めていくかが私に与えられた課題。SCMは今勢いをもって改善が進んでおり、進化を続けていきたい」と説明する。
最近の取り組みでは、需要予測の向上ほか迅速な意思決定をサポートする財務情報へのアクセス強化やコミュニケーション強化の取り組みであるS&OP(Sales and Operations Planning)プロセスをS&OI (Sales and Operations Integration)へと進化させた。
S&OIは、S&OPの進化版を意味するCCBJIの社内用語となる。
「今までプランニングに重きを置いた枠組みだったのを、それを進化させた。営業と数字と共有することで意思決定の質を高めプランニングを改善している。これにより昨夏も物凄く暑くなった中、コストを削減しつつ非常に上手く乗り切ることができた」と振り返る。