16.3 C
Tokyo
16.9 C
Osaka
2025 / 11 / 22 土曜日
ログイン
English
飲料嗜好飲料スティックコーヒー、アイスミルクに商機
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

スティックコーヒー、アイスミルクに商機

 スティックコーヒーをはじめとするスティックタイプの嗜好飲料では、夏場の提案としてアイスミルクに商機を見出している。

 春夏に開拓余地を見込む。
 アイスコーヒーなどアイス飲料が飲まれる割合は年々増加傾向にある一方、スティックのアイス飲用比率は全体の1割に留まっているとみられる(味の素AGF調べ)。

 スティックでトップシェアを握る味の素AGFは、止渇性ではなく嗜好性の要素を強めて提案強化している。

 前身の「冷たい牛乳で飲む」シリーズにさらに磨きをかけて、スティック1本に牛乳を注いで混ぜるだけでクリーミーなデザート飲料が楽しめる  「ブレンディ」スティック クリーミーアイスシリーズ(以下、クリーミーアイス)を3月1日に新発売した。

 前身商品では、春夏の飲用に向けて清涼感の要素を盛り込んでいたが、「クリーミーアイス」では清涼感の要素よりも、中身・パッケージともに嗜好性への訴求にフォーカスしたものになっている。

 この刷新の決定打になったのは、事前に実施した消費者調査から浮かび上がった“クリーミー”のワードという。

「ブレンディ」スティック クリーミーアイスシリーズ
「ブレンディ」スティック クリーミーアイスシリーズ

 「トライアルされた方は “クリーミー”のワードから想像される味わいや情緒感に惹かれて購入されていることが分かった。このワードは通常「ブレンディ」スティックを飲用するユーザーにも刺さっており、通常商品とは違って春夏のスイーツ感覚で飲まれ、秋冬に再び通常商品に戻っていく傾向が見て取れた」(味の素AGF)と説明する。

 このような見立てから、シリーズ名にも“クリーミー”のワードを盛り込むなどして嗜好性を前面に押し出してリニューアルを行い、さらなる成長を目指していく。

 今回の「クリーミーアイス」は前身商品と比べクリーミングパウダーを改良し、溶けやすさとともに牛乳と混ぜたときのコクを強化した。
 「クリーミングパウダーの主成分は油のため通常であれば冷たい飲み物には全く溶けず分離してしまうが、それを溶かす技術を常に磨き続けている」と述べる。

「ネスレ 大人のご褒美 ダルゴナストロベリー」
「ネスレ 大人のご褒美 ダルゴナストロベリー」

 ボトルコーヒーでトップシェアを握るネスレ日本は、「ボトルコーヒーに限らず年々アイス飲用が増えていく」との見方を示しスティックのアプローチも強める。

 ネスレ調べによると、コーヒーカテゴリー全体におけるアイスの飲用比率は、2011年の33%から21年に37%へと引き上げられ、また、22年春夏(6‐8月)のスティック市場とポーション市場あわせた販売金額は18年同期比で1.3倍に拡大した。

 今後も拡大を見込み、中でも若年層の獲得に勝算を見込む。

 「若年層がコンビニやカフェのアイスコーヒーで入ってきて最終的に家庭でも飲んでいただけるといった流れが、ブームではなく、以前から続いておりそのような流れは年々加速している」(ネスレ日本)と期待を寄せる。

 この春夏は、さらなる若年層の獲得などを目指してスティックでは「ネスカフェ ゴールドブレンド 大人のご褒美」シリーズから「ネスレ 大人のご褒美 ダルゴナストロベリー」を3月1日に新発売した。

 同商品は「甘酸っぱいストロベリーの香りやスッキリした味わいが楽しめる一方、ふわふわで、もっちりとしたピンク色の泡も体験できる」のが特長。

 ストロベリーフレーバーの選定については、カフェやアフタヌーンティーの期間限定メニューとして若い世代を中心に人気を集めている点が加味されている。

 ココアカテゴリーでは片岡物産が従来からスティックタイプの「バンホーテン ミルクココア」で“水や牛乳にも溶ける”ことを訴求している。

 これに加えて今年は「バンホーテン」の旗艦商品「ミルクココア」(220g)を冷たい水や牛乳にも溶けるように改良。スティックタイプとともに、春夏のアイス飲用需要をこれまで以上に獲得してブランドと生活者との接点拡大を図っていく。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点