酪農乳業界 かつてない危機に直面 生乳需要喚起が一層加速 2022年重大ニュース

酪農乳業の専門紙誌8社で組織する酪農乳業研究会は、「2022年酪農乳業界重大ニュース」を選定した。

2022年は、異例となる期中での価格改定が大きな話題となった。飲用向け乳価1kg当たり10円値上げの背景には、コロナやウクライナ情勢による原油、飼料価格の高騰、そのほか為替やエネルギーコストの影響などで酪農経営が「かつてない危機」に直面したことがある。昨年に引き続き、年末年始の処理不可能乳回避や長期的には国内酪農基盤の保全を目的に、業界の垣根を越えた消費拡大運動が活発化している。

アイスクリーム市場においては過去最高売上を更新し、国産NC生産量が過去最高となるなど一部では明るいニュースも見られた。重大ニュースは次の通り。

①飲用・発酵乳向け乳価値上げ、期中改定は9年ぶり
②生乳の需給ギャップ拡大、脱脂粉乳在庫は過去最高
③乳製品の値上げ相次ぐ、円安やコスト高で
④乳酸菌飲料に再注目、各社新たな機能性商品投入
⑤21年度アイス販売金額過去最高、22年度上期も3%増
⑥牛乳消費拡大運動、業界の垣根越え広がる
⑦生乳生産、関係者協調し抑制施策を強化
⑧国産NC生産量が過去最高(21年度)
⑨生乳生産コスト高騰、酪農経営に「かつてない危機」
⑩行動制限解除で業務用乳製品は回復基調