片岡物産が8月23日に発売した「トワイニング」ブランドの新商品「THE FRUITS(ザ・フルーツ)」が好調なスタートを切った。
「ザ・フルーツ」は、フルーツピースと植物素材をブレンドしたフレーバーノンカフェインティー。独自のフレーバリングとブレンド技術を持つ英国トワイニング社によって開発された。
日本では「ピーチ&オレンジ」「カモミール&オレンジ」「ラズベリー&レモン」「ミックス ベリー」の4種類のフレーバーと、アソートタイプの「ザ・フルーツ セレクション」を発売している。
商品としてはハーブティーカテゴリーに属しているが、新たなユーザーの呼び込みに成功しハーブティー市場の活性化にも貢献している。
「トワイニング」の日本でのマーケティングを行っているトワイニング・ジャパンの狩野雄一社長は11月24日取材に応じ「8-10月の量販店全体のハーブティーカテゴリーでの『トワイニング』の売上げは前年同期比63%増を記録。同期間、ハーブティー市場も金額ベースで10%以上拡大したと推定される(トワイニング・ジャパン調べ)」と語る。
好調要因は、果実のやさしい甘みとノンカフェインの設計にあり、若年層を多く獲得。
「フルーツピースと植物素材が贅沢にブレンドされた味わいが、従来のハーブティーのクセのある香りが苦手な方にも支持されている。果実のやさしい甘みや香りでストレス発散ニーズに対応しているほか、健康志向で高まるノンカフェインニーズにも対応している」と説明する。
ノンカフェインニーズについては、コロナ禍で健康意識が高まる中で「カフェインを受け付けない人だけでなく、快眠などを考えてカフェインを摂りすぎないように心がけている人が増えている」とみている。
トワイニング・ジャパンが21年10月に実施した一般女性20~69歳約1万人を対象にした調査結果によると、75.8%が美容や健康に対して何らかの悩みを持っており、そのうち約70%が十分な対策ができておらず、美容や健康に悩みのある一般女性のうち50%以上がカフェインを控える傾向が判明した。
お茶・紅茶市場でもカフェインレスカテゴリーが活性化していることから、「トワイニング」では「ザ・フルーツ」をこの秋冬の最注力商品と位置づけ最需要期に向けてマーケティング活動を展開していく。
「トワイニング」のハーブティーカテゴリーでは初の試みとしてTVCMを関東中心に全国主要都市で10月末から開始。12月には再び関東で放映する。
SNS施策では、フォロワー数28万人強の「トワイニング」公式ツイッターで「ザ・フルーツ」4種類のアソートセットを1万人にプレゼントするキャンペーンを実施している。
店頭では一部の売場で、購入すると「ザ・フルーツ」オリジナルデザインのジッパーバッグがもらえる販促によりトライアル促進を図っている。
「ザ・フルーツ」は海外でも販売されているが、日本独自の工夫として1袋ずつ個包装し、アソートタイプの「ザ・フルーツ セレクション」を発売した。
現在、この「ザ・フルーツ セレクション」が一番の売れ筋でトライアル獲得に貢献し、各アイテムのリピートにつなげている。
2021年の紅茶市場は1%減で、その内訳はティーバッグが横ばい、ハーブティーが10%増、リーフとインスタントティーが5%強減少したと推定される。
22年1-8月の紅茶市場は夏場の猛暑と巣ごもり需要の反動で2%減と推定されるが、カテゴリー別では、ティーバッグとハーブティーが前年を2、3ポイント上回ったとみられる。
こうした中、「トワイニング」は21年に前年を超えて今年もプラスで推移している。
「21年秋に発売した『フレーバールイボス』シリーズなどノンカフェイン系が牽引して若年層を開拓してきた」と語る。
「トワイニング」全体では、「ワクワクする体験を届ける」活動を展開。
その一環で、昨年に引き続き10月18日から「アドベント ティー カレンダー」を通販サイトや一部の雑貨店、スーパー、百貨店などで発売した。
12月1日から24日までのカレンダーを模した同商品は、1日ごと小窓になっており、扉をあけると24種の紅茶やノンカフェインティーなど「トワイニング」が厳選したバリエーション豊かな味わいが1袋ずつ入っている。
小窓を開封して初めて種類が分かる仕組みでワクワク感を演出。「昨年よりも数量を増やして用意したが、引き合いが強く店頭では既にほぼ完売してしまった」という。