全国清涼飲料連合会(全清飲)は13日、トラックドライバー時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」と呼ばれる物流課題を踏まえ、物流事業者の負担軽減など物流改善に取り組むと発表した。
加工食品物流は、夜間作業や短いリードタイム、多頻度検品などの附帯作業が求められる。
積み込みや荷卸しなどの作業は、ドライバーの長時間待機が発生する要因にもなっている。
これに対し一部の先進企業では、トラックが駐車して貨物の積み下ろしをする場所(バース)の予約システムやAIを導入するなどしてデジタルトランスフォーメーション(DX)化に取り組んでいる。
全清飲も「ドライバーの長時間待機の削減やドライバーの附帯作業の改善に向け関連業種などとともに改善に向けて取り組み、物流におけるDXの推進など具体的施策の検討を開始する」という。
飲料業界は、加工食品の中でも最大級の物量を全国に配送し輸送ルートも多岐にわたる。加えて災害時には生活のライフラインとして緊急配送も必要となることから、業界で問題意識を高めることも意図して今回の発表に至ったとみられる。
トラック輸送・運転者を取り巻く環境は現在、人手不足・高齢化・長時間労働・低賃金・トラック調達コストの上昇・荷待ちにおける長時間待機・荷卸しや附帯作業の増加などにより非常に厳しく、運転者不足が深刻化している。
24年には労働基準法の時間外労働上限規制が適用されることで、この状況はさらに深刻化すると予想される。
鉄道貨物協会、日本ロジスティクスシステム協会などのデータよると、トラック運転者の総需要が25年前後に18%程度不足することに加え、労働基準法の上限規制が加わり、輸配送能力は現状の70%程度と推定される。