奈良県三輪素麺工業協同組合とその販社で構成する奈良県三輪素麺販売協議会は8月30日、奈良県桜井市の三輪明神大神神社で「三輪そうめん感謝祭」を執り行った。
7月に最盛期を迎えるそうめん商戦を無事に終えたことを神前に報告する恒例行事。感染拡大防止から参列者を組合員と販売業者、関係者代表に限定。神社拝殿に集い、祈祷と巫女の舞を奉納したあと、玉串を捧げた。また過去2年間見合わせていた、地元婦人会による三輪そうめん音頭や掛歌の奉納も行われた。
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小西幸夫・組合理事長と池田利一・販売協議会会長(池利会長)は、商戦の振り返りと秋以降の政策について次の通り話した。
コロナ前はダウントレンドが続いていたが、家庭で食事する機会が増加し、またメディアでそうめんやアレンジレシピが取り挙げられることが増えた。そうめん商戦は毎年6月から本格化するが今年は5月から動き、また早い夏の到来やギフトの下げ止まりもあり、例年より好調。販社の売上は前年比二ケタ増から悪くても前年並みほどで、産地全体の平均は5%増と推定される。組合員は前期に1軒、今期に1軒増えたものの、他産地同様に人手不足の状況は続いている。目標の生産量に達することが難しいことから、期間延長が可能な組合員には6月まで生産してもらい対応した。組合員外でもフル生産を行ったため、生産量は産地全体で25万箱(1箱18㎏換算)を超えたと予想。9月からの次年度生産も10万箱を目標にする。
今春に、組合からの卸価格を3%値上げした。しかし小麦価格をはじめコスト高騰分を吸収できていないことから、来春にさらに1割を上げる予定。
3~5年後を見据えた各組合員の生産力向上のため、空調・乾燥設備などの投資に対して行政の支援をお願いする計画だ。