日清食品チルドは、22年秋冬商品の開発テーマに「アフターコロナに向けたチルド麺市場の創造」を掲げ、大幅刷新した「日清のラーメン屋さん」、最新トレンドを取り入れた「行列のできる店のラーメン」の新フレーバーなどを順次発売する。
このほどオンラインで発表会を開催。冒頭、市場動向について伊地知稔彦社長は「21年度の家庭用チルド麺は高水準をキープしたが、22年3~6月の需要は低調に推移。主な利用シーンである『昼食の内食率』が下落傾向で、価格改定の影響も重なった」とした上で、「7月は猛暑もあって『冷し中華』が好ペースに転じ、単月ながらトータルで前年クリアが期待できる情勢。今後は改定後の店頭売価も浸透していくだろう。徐々に良い流れに戻していきたい」などと述べた。
同社商品別の販売実績は、「ミニオン」とのコラボパッケージを展開した「日清の太麺焼そば」「日清のそのまんま麺」が好調だったほか、「食べログ 百名店」シリーズの新商品「麺屋ようすけ コク旨醤油」「むさしのエン座 肉汁つけうどん」の売れ行きが良かった。新規開拓として、生麺でありながら独自製法で常温保存可能にした製品群をオンラインストアやサービスエリアなどの販売チャネルに展開した。
開発方針は延安良夫取締役マーケティング部長が説明。「コロナ禍の20~21年を経て、食シーンの変化やニューノーマルの定着が見られる。アフターコロナに向かう中で消費者マインドは非常に複雑化している」とし、「22年秋冬は今後の変化を見据えて新たな市場創造に取り組む。
①成長カテゴリーへの注力(=プレミアムライン)
②停滞カテゴリーの活性化(=コモディティライン)
③新規カテゴリーへの挑戦(=4K〈簡便・個食・健康・環境〉+常温)
の3点をテーマに開発した」などと語った。
プレミアムラインのうち、主力ブランド「行列のできる店のラーメン」にはトレンドの“淡麗系極旨”を取り入れた「鶏しょうゆ」と「クリア豚骨」を追加する。好調な「食べログ 百名店」シリーズでは「博多一双 濃厚博多とんこつ」を商品化。県内外から多くのラーメン好きが訪れる人気の味わいを再現した。また「つけ麺の達人」に「海老魚介醤油」、「まぜ麺の達人」に「鶏白湯まぜそば」をそれぞれラインアップ。前者は「つけ麺 五ノ神製作所」、後者は「銀座 篝」の監修を得た自信作だ。
停滞カテゴリーの活性化策として、「日清のラーメン屋さん」を大幅刷新。カット野菜などと一緒にフライパン調理できる簡便性を前面に打ち出し、ユーザーの嗜好に合わせ(博多風豚骨を除く)麺をストレートタイプに変更した。パッケージは白を基調としたデザインに一新。また「日清の太麺焼そばSTRONG特濃ソース」を新提案。従来の焼そばジャンルになかった高価格帯商品を投入し、需要を刺激したい考え。
さらに、新規カテゴリーの開拓に挑戦。常温展開できる「鍋焼 日清ラ王」に「シビ辛担々麺」を追加し、若年層の需要を見込む。新たに瓶詰の「ちょい足しの達人 シビ辛 麻辣大豆ミート」を投入することも注目材料。
一方、20年9月から地球環境に配慮した「eco麺プロジェクト」を推進。その一環で生麺の賞味期限延長に取り組んでいるが、今秋から対象商品のパッケージに新たなマークを付与。特許出願中の「おいしさ長持ち製法」をアイコン化し、「賞味期限が製造後40日間」であることを訴求していく。