伊藤園とMCBIは3日、臨床試験で抹茶の継続摂取による睡眠の質向上と社会的認知機能の改善を確認したと発表した。
抹茶に含まれるテアニンには、ストレス緩和、睡眠改善、ワーキングメモリーの改善などの効果が報告されている。
今回は、ヒトを対象とした研究で抹茶の長期摂取効果を総合的に解析する世界初の臨床試験で明らかにした。
臨床試験は、60歳から85歳の高齢者を中心とした939人を募集し、物忘れが目立つ程度の認知症の前段階か自分だけが物忘れを自覚している段階と診断された 99 人を対象に実施した。
抹茶カプセル(1日あたり抹茶2g)とプラセボ(着色コーンスターチを充填したカプセル)の2群に分けて、それぞれ12ヵ月間摂取してもらい、総合的な睡眠の質について自記式で回答し採点・評価を行うことができるピッツバーグ睡眠質問票で評価したところ、抹茶群では睡眠の質が向上する傾向が示された。
コグニトラックス検査による認知機能の領域別の評価では、抹茶群はプラセボ群に比較して、表情からの感情知覚の精度が有意に改善することが確認された。
この結果を受け、伊藤園は「今後、本研究で確認した抹茶の継続摂取による睡眠の質の向上効果と社会的認知機能の改善効果の関連性やメカニズムの解明、またその他の検査内容の解析などを進めていく」とコメントした。