山本海苔店、髙岡屋と資本業務提携 株式を一部取得

 山本海苔店(東京都中央区、山本貴大社長)は1日、髙岡屋(東京都台東区、髙岡則夫社長)の株式の一部を取得し、同社と資本業務提携を締結したと発表した。

 両社は人材や製造、物流、商品など互いが持つ強みや経営資源を生かし連携を深め、国内外での事業基盤強化を目指す。出資比率、株式の取得金額は非公表。

 山本海苔店は1849年創業で、贈答海苔の老舗大手。近年はギフトに加え、ECや軽食といった新領域が伸長しているが、業務用の売り上げ比率は10%未満。

 髙岡屋は1890年に創業。大手CVS向けに供給するなど業務用のシェアが高い。さらに米国や中国、メキシコ、ポーランドと各国に拠点を構え、グローバルに事業を展開している。

 両社は各部門に強みを持っており、これまでも一部の製造業務などで連携している。今回の資本業務提携により「日本の海苔企業の一員として、世界に向けて海苔の新しい価値を創造、発信していく」としている。

 国内の海苔業界をめぐっては、消費者のライフスタイルや嗜好性が多様化する一方、資材価格の高騰や海外産海苔の台頭など商環境が大きく変化している。
 海苔の国内主産地である地方は過疎化が進行。温暖化による影響も受け、安定した収量や品質の確保への対応を迫られている。今後、国内上位の売上高とブランド力を持つ老舗同士による合従連衡の行方に注目が集まりそうだ。