キリンビバレッジは“おいしく熱中症対策” として独自のポジションを築いている「世界のKitchenからソルティライチ」で店頭導入を拡大し、夏本番に向けて販売体制を整えている。
導入拡大には早めの営業が奏功したという。
マーケティング部企画担当の髙瀬友紀氏は「昨年よりも早めに営業してもらい、量販店・スーパーさまのお取り扱いも昨年よりも早く広くなっている」と語る。
「ソルティライチ」の主要アイテムである500mlPETの導入は年々拡大。
昨年も「回転(販売)は8-9月の最盛期の天候不順が痛手になり苦戦を強いられたが、競合の熱中症対策飲料との差別化ポイントである“果汁飲料のおいしさ”の認知や定番感は徐々に上がってきている」という。
今年は昨年を上回る店頭導入を実現して夏本番を迎える。
現在、春夏限定のデザインラベルとデジタル・SNSを活用してコミュニケーションを展開している。
春夏限定ラベルは「気温上昇のタイミングで『ソルティライチ』のおいしい季節がやってきたことを直接お客様に訴求していきたい」との考えのもと「おひさまの愛」「ライチと旬」「沖縄と塩」と題した3種類の文章とデザインを品揃えして3月下旬から順次発売している。
3種類のラベルについては「いずれも文章とデザインで『ソルティライチ』のこだわりを盛り込みつつ、お客様にちょっと楽しんでいただき、明るい気持ちになっていただけるように『世界のkitchenから』ブランドのやさしい世界観をイメージした」と説明する。
デジタル・SNS施策は4月下旬から5月末にかけて実施。「SNS各種にバナー広告を入れたほか、ツイッターではキャンペーンを展開した」。
これらの取り組みにより「ソルティライチ」の1-4月販売実績は前年比10%増を記録。
同期間、「世界のkitchenから」ブランドは25%増となり、これには昨年5月からセブン‐イレブンで限定販売している「世界のKitchenから ベリーデビタミン」の純増が寄与した。
「ベリーデビタミン」は、スウェーデンの台所の知恵からのインスピレーションを受けて開発された低果汁飲料。
スウェーデンで短い夏に採れるベリーで作った濃縮シロップ「サフト」を1年通じて家族の元気の源として楽しんでいることに着目して3種のベリー(ストロベリー、クランベリー、ラズベリー)をまるごと搾って煮込んで作った「特製サフトシロップ」を使用している。
具体的には「生では酸っぱい3種のベリーをまるごと搾って煮ることで複雑味がありながらもすっきりとした甘酸っぱいおいしさが存分に楽しめる味わいを実現。これに果汁と純水を合わせておいしくビタミンC補給できる低果汁飲料に仕立てた」。
今年は2月末に再導入し「コンビニさまの中で女性層に支持されている」とみている。
夏場に向けては“おいしく熱中症対策”の訴求を強化していく。
「今年は『ソルティライチ』でエリア別に熱中症対策のPOPを用意している。POPには気温と湿度を記入できるようにして、各エリアの気温などにあわせてメッセージも変えながら提案していく」と髙瀬氏述べる。
熱中症対策アドバイザーによる、熱中症対策の啓発も全国で行っていく。
熱中症対策アドバイザーとは、全国の地方自治体・官公庁・企業・民間団体が一体で取り組む「熱中症予防声かけプロジェクト」主催の資格で、資格取得者は各地で熱中症対策セミナーを実施し熱中症に関する知識や熱中症対策の啓発を行っている。
キリンビバレッジグループでは、全国の営業担当社員を中心に203人が取得している。
今夏も引き続き全国の小学校に新しい生活様式に対応した熱中症対策啓発冊子10万部配付するほか、「世界のkitchenからソルティライチ」の小学校保健室へのサンプリングを昨年の2倍となる全国200校以上で計画している。
キリンビバレッジでは、熱中症という社会問題の解決と「ソルティライチ」をはじめとする同社の熱中症対策飲料の販売を通してCSVの実現に取り組んでいる。
「ソルティライチ」では500mlPETに次いで、300mlパウチや濃縮飲料の「ソルティライチベース」にも注力していく。
「ソルティライチベース」ではレシピ提案を予定。
「昨夏、レシピの写真投稿キャンペーンを実施したところ想定以上の反響をいただき『世界のkitchenから』ブランドとの相性でもよい結果が得られたため今後もスーパー・量販店さまでレシピ提案を実施していきたい」という。
そもそも「ソルティライチ」は、タイの家族の知恵とされる、旬の果物を塩につけて下ごしらえし氷と自家製シロップで作る「ローイゲーオ」と呼ばれる冷たいデザートから着想を得たもので、手摘みライチのおいしさを沖縄海塩で引き出した低果汁の熱中症対策飲料となっている。
そのため「ソルティライチベース」も5倍希釈時に熱中症対策になるように設計されているほか、料理やデザートにも合わせやすくなっている。
なお「世界のkitchenから」のブランド・パーパス(ブランドの社会的存在意義)は、「世界の台所から知恵と工夫を伝承し、家族を気遣うおいしさの可能性を広げる」で、このブランドが持つ家庭的でやさしいイメージを「ソルティライチ」へ積極的に付与している。