風呂嫌いで、お前はカラスの行水だとよく親に怒られたものだが、現在は銭湯、サウナ愛好家になった。ただし、活字がなければ長居はできない。本を持ち込んでも大丈夫な施設はあるから、週末はいそいそと訪問している。先週末は「ローマ法王に米を食べさせた男」(高野誠鮮著)を携えた。高野さんが羽咋市役所の職員だった頃の活動記録だ。
▼地域振興で宇宙博物館を作る。そのためにクレムリンやホワイトハウスに平気で手紙を書く行動力も素晴らしいが、さらに素晴らしいのは、その前提の調査と方法論の準備だ。1953年のCIAのロバートソン査問会の資料まで読み込んでいたという。
▼日本人は身内を信じず、外の意見しか聞かない習性がある。それをダメだと言わずにその習性をうまく活用した。属している組織が硬直化しているのならば、外部の人に言ってもらえばいいわけだ。こうした前向きさが彼の真骨頂なのだろう。
▼戦争は起きるし、原料高で価格改定したいのに末端はなかなか応じてくれないし、食品業界には閉塞感が漂っている。それでも、打開する方策がないわけではない。