ブルボン「ルーベラ」復活 「ルマンド」コラボ商品 還暦迎える「ホワイトロリータ」 オリジナルビスケットシリーズ発信強化

 ブルボンは、ビスケット市場の買上点数の減少と購買者の高齢化の2つの課題に対応すべくオリジナルビスケットシリーズの発信を強化していく。

 2つの課題に対して、8月4日、商品・営業戦略発表会に臨んだ井手規秀常務取締役は「ロングセラー商品、買い回りが見込めるシリーズ商品、トライアルの増加が期待できる商品の3つの品揃えを効果的にやっていくことを考えている」と語る。

 この3つの品揃えに該当するものとして、オリジナルビスケットシリーズに磨きをかける。

 オリジナルビスケットは「ホワイトロリータ」(発売開始1965年)「ルマンド」(同1974年)「バームロール」(同1978年)「ルーベラ」(同1972年)「チョコリエール」(同1977年)「エリーゼ北海道ミルク(エリーゼ)」(同1979年)「ラングレイス」(同2024年)の7品。

 昨年は「ラングレイス」が大ヒット。その要因については「我々のマーケティングの1つの特徴である、メーカーがあまり関与しないことにある」とみている。

 「ラングレイス」は、発売時にファンの間で擬人化のイラストや家系図が創作されSNSを中心に大きな盛り上がりを見せ、この話題化と連動して商品も売れていったという。

 「ラングレイス」の大ヒットにより「ロングセラー商品のマーケティングを間違えなければリブランディングしてヒットしやすくなる」「ロングセラー商品の中に新商品を入れることでトライアルが上がっていく」といった学びを得る。

 トライアルを継続的に獲得していくことでオリジナルビスケットシリーズ全体の活性化と若返りを図っていく。

 こうした方針のもと、この秋冬に期待を寄せるのは10月に新発売する「ルーベラ」。

 坂井裕次取締役は「ルーベラ」について「22年3月にエッグショックの影響を受けて販売休止させていただいていたが10月に再発売する。『ルーベラ』は、バターをたっぷりと使用したラングドシャクッキーを巻き上げ、サクサクとした口あたりと繊細でやさしい口どけが特徴。再発売にあたり使い勝手を考え従来の2本包装から1本包装に変更した」と説明する。

 コミュニケーション施策としては「ルーベラ」の22年からの販売休止を知らなかった層に驚きを提供するなどして話題化を図っていく。

左から「ルマンド」と「ラングレイス」
左から「ルマンド」と「ラングレイス」

 「ホワイトロリータ」も今年、発売60年の“還暦”を迎えることから何らかの施策の実施が予想される。10月7日には「ホワイトロリータ」をつまめるサイズにした「ひとくちホワイトロリータ」をコンビニ先行で新発売した。

 昨年発売50周年を迎えた「ルマンド」は、ファン獲得に向けてコラボ商品を引き続き展開していくとみられる。

 既に菓子に留まらず多種多様な業種とコラボ。ダイアナ(東京都渋谷区)が展開する大人の女性の為のスニーカーブランド「+diana(プラスダイアナ)」からは「ルマンド」をモチーフにしたスペシャルなスニーカーを2月20日から発売している。

 オリジナルビスケットシリーズ以外では、ブルボンのビスケットの中で「ルマンド」群と並ぶ看板商品ともいえる「アルフォート」「ブランチュール」「ガトーレーズン」に「ショコロワール」を加えた袋ビスケットシリーズや、今年発売30周年を迎えるロングセラー商品「ロアンヌバニラ」を育成していく。

 「ロアンヌバニラ」は、専門店のようなゴーフレットが手軽に楽しめることからファンを獲得。大袋タイプは、40~50代の子どもがいる家族層から支持されているのに対し、箱タイプは60代以上の夫婦など高い年齢層から支持を集めている。