「ライフガード」のチェリオが垂直統合型経営を活かしたサーキュラーエコノミーを推進 リサイクル原料のペットボトル製造に挑む

 炭酸飲料の「ライフガード」「チェリオ メロン」などで知られる飲料メーカーのチェリオグループは今後、リサイクルされたレジンペレット(ペレット)を使ったプリフォーム製造に挑む。

 ペットボトル(PET)は、試験管のような形状のプリフォームを膨らませて(ブロー成形)つくられている。

 2月18日、取材に応じたチェリオコーポレーションの座間隆史取締役執行役員は「ワクワクするような飲料を作るだけでなく、環境負荷の低減に向けた活動も、お客様にとって飲料の新たな価値になる可能性がある」との見方を示す。

チェリオコーポレーションの座間隆史氏
チェリオコーポレーションの座間隆史氏

 同社は2015年の製造工場の移転の際、プリフォームを膨らませるブロー成型を行う設備を導入。2022年には、プリフォームを製造するインジェクション設備を新たに導入した。

 原料からプリフォームを製造する飲料メーカーは数少なく、垂直統合型経営を一歩前進させた。

 「2015年はPET製造の経験もノウハウも社内になかったため、まずはブロー成型設備を導入した。その後、経験が蓄積されてきたことで、原料からの製造にも着手した」と振り返る。

 現在は、バージン原料のペレットを仕入れ、滋賀工場でPETを製造し、同工場または小牧工場で中味を充填し各自販機や卸で販売。リサイクルボックスから回収したPETは、自販機の営業所に運び、処理業者に引き渡している。

 今後はバージン原料だけでなく自動販売機を中心に販売をしているメーカーの強みを活かし、回収した自社製品のリサイクル原料を自社工場で再生する循環型のリサイクルPETの製造を計画している。

自社製造のプリフォーム
自社製造のプリフォーム

 直近の課題には、リサイクル原料の品質やコストを挙げる。

 「これまでと同様の品質を担保できるか、検証しながらテスト製造を行う。リサイクル原料はバージン原料よりもコストがかかるため、品質やコストのバランスも検討が必要。いきなり100%リサイクルPETを製造するのは難しいため、部分的な使用も検討する」と説明する。

 資源循環への取り組みには、先進的な技術への探求心や、個性ある会社を目指すという社内の方針が原動力となっている。

 「当社は、おいしい・たのしい・あたらしいをモットーに、垂直統合や業界初の取り組みを意識的に行ってきた。例えば、業界初の350mlアルミ缶のシリーズの発売や、フルシュリンクラベルの国内初導入などがある。新しい取り組みにチャレンジすることで、飲料業界にとって面白い会社でありたいと考えている」と意気込みを語る。

株式会社アピ 植物性素材