UCCグループは、レギュラーコーヒー製造の主力工場「UCC富士工場」で、燃焼時にCO2を排出しない水素を熱源とした大型水素焙煎機での水素焙煎コーヒーの量産化に踏み切った。
3月25日、業務用展示商談会「UCC Smile Festa2025」の東京会場で記者発表会に臨んだUCCコーヒープロフェッショナルの橋本樹一郎社長が明らかにした。
「4月から水素焙煎の量産化が世界で初めてスタートする。先んじて業務用のお客様に導入いただけるような準備を整えている」と語る。
アイテム数や導入目標などは今後明らかにされる。
この日、発表されたのは「Café Nature 水素焙煎コーヒー」の「シティロースト」(300g豆)と「ダークロースト」(300g豆)、ワンドリップコーヒーの3品。
導入先は、ホテルやハイエンドな外食店、インバウンド需要が見込める交通チャネルなどを想定する。
UCCジャパンの里見陵執行役員サステナビリティ経営推進本部長は「広告で価値を伝えるのは難しく最初はB to Bで展開する。導入先様とともに価値を伝えていく必要があり、かなり密にコミュニケーションできそうなところを選んで展開していく」と述べる。
導入先では、水素焙煎コーヒーがカーボンニュートラルに貢献していることを端的に訴求するPOPなどを用いて価値を伝えていく。

ワンドリップは、ホテル客室や土産物の売店への導入やノベリティなどの展開を想定する。
量産化に加えて、水素焙煎の技術も進化しているという。
「以前は少し酸味をきれいにしてフルーティーさを際立たせるものとしてスペシャルティコーヒーでアピールしていたと思うが、今回、ブレンドの苦味を軽やかにすることもできるようになった。水素焙煎は温度の調整幅が広く、焙煎の前半を少し長めにするやり方に加えて、後半の仕上げを長めにするやり方も編み出した」と説明する。
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