100円均一菓子の人気商品を大袋化 「お客様にとって実質値上げにはならない」工夫で需要喚起 JCC

 菓子専業の開発企業で菓子の全国卸販売を手掛けるジェーシーシー(JCC)は昨年立ち上げた新ブランド「ひとりじめ気分」を新定番商品として育成していく。

 「ひとりじめ気分」は、100円均一菓子市場が、量目を減らし価格を据え置く減量値上げの傾向にあることを背景に、満足感が得られることに主眼を置き開発された180円均一菓子のブランドとなる。

 今年、3尺1本の棚を構成して店頭での訴求を強化すべく3月18日に新商品を発売。新商品は「ビーフジャーキーW燻製極薄」(13g)「ビーフジャーキー うま辛焼肉」(同)「伊勢の国 えびあられ」(55g)「セサミミックス」(95g)「キャラメルポリコーン」(55g)「焼き干し芋」(90g)「有機むき甘栗」(87g)の6品を取り揃える。

 これにより既存商品を含め「ひとりじめ気分」のラインアップは計17品に拡充される。
 定番商品の拡充にも取り組む。

水谷圭二社長
水谷圭二社長

 水谷圭二社長は「これまでも取り組んできたことだが、やはり継続的に売れるものを開発していくことが大事。単発で大ヒットしたとしても次の注文がなければ製造を委託しているメーカーさまも困ってしまう。安定生産にも貢献すべく、定番商品を拡充していくことに重きを置いている」と語る。
 
新たな定番商品として水谷社長が期待を寄せるのは、「まんぷくクラブ」シリーズから3月18日に新発売される大容量の「いかみりん」(270g)。

 「いかみりん」は、100円均一菓子「お買い得気分」ブランド80品以上の中で売上ランキング上位の人気商品。「まんぷくクラブ」シリーズとしてチャック付きで大容量化することでユニットプライスを抑え、値頃感も打ち出した。

大容量の「いかみりん」(270g)
大容量の「いかみりん」(270g)

 「100円均一は原材料高を受けた実質値上げで、量目がどんどん少なくなっている。だが、大袋にすれば、ユニットプライスは実質値上げ前の100円均一に相当し、お客様にとって実質値上げにはならない」と説明する。

 「まんぷくクラブ」シリーズは、多様化する食シーンに対応すべく開発された大袋商品。「お菓子を通して味・品質・価格に満足していただきたいという想いを詰め込んでいる」という。

 同シリーズの一番の売れ筋は「おやつラーメン」。チキンスープ味のスナック菓子で、そのまま食べられることに加えて、お好みの具で煮込んでも食べられる点が特徴となっている。大袋に個包装を13個詰め合わせて希望小売価格は390円。

 同シリーズなどが牽引しJCCの今期(3月期)売上高は、前年比10%増の成長を見込む。
 「今期は、カカオショックによる仕入れ価格の高騰で一部チョコレート商品の販売を断念した影響で12月単月はやや苦戦したものの、バレンタイン向け商品は前年並みとなり、『まんぷくクラブ』やグミなどが好調となり最終着地は10%増となりそうだ」と述べる。

株式会社アピ 植物性素材