カゴメの2025年度の飲料、食品施策が固まった。25年までの長期計画実現に向け、16年からの3回の中期計画を実行してきた同社は、今期を10年間の総仕上げの年に位置付け、国内加工食品事業の中核となる飲料、食品を積極展開。コスト増が継続する中、利益創出が最重要課題とし、「挑戦の継続」と「利益回復」を基本方針に様々な施策を打つ。
「挑戦の継続」の最大の焦点は「アーモンド・ブリーズ」の本格展開だ。昨年、米国ブルーダイヤモンドグロワーズ社と「アーモンド・ブリーズ」の製造販売契約を結んだ同社は、3月からパッケージと中身を大幅リニューアルする。
23年の国内アーモンドミルク市場は139億円、24年は競合の欠品等で124億円と一時的に落ち込んだが、米国との飲用量差から、日本における拡大余地は大きいと判断。リニューアル商品により、飲みごたえのあるコクを実現し、すっきりした後味を実現するため、アーモンド量を増加(アーモンドペースト従来比1・5倍)。ブランド認知の拡大とトライアル獲得のため、カリフォルニア在住のアーモンドミルクユーザーをアンバサダーとして起用。TVCM、SNS、飲み方も提案し、100万人サンプリングでトライアルを獲得する。
「アーモンド・ブリーズ」の施策について山口聡社長=写真=は、「ブルーダイヤモンドグロワーズ社とは、カゴメの小売、外食、カフェ、ECなど多様なチャネルへの営業力が評価されて昨年9月に製造販売契約を結んだ。アーモンドもトマトも畑で作られ、成り立ちがカゴメと似ておりシンパシーを感じている。3月からカリフォルニア在住のアーモンドミルクユーザーのアンバサダー起用や100万人サンプリング、店頭でのカラーマーケティングなどインパクトある情報発信を行う。日本人に合わせた濃い目の味付けにリニューアルし、業務用としてカフェでも展開する」と言う。「初年度売上目標は15億円、認知とトライアルを広げ、シェアよりもアーモンドドリンク全体の市場を大きくしたい」と語っている。
「利益回復」はトマトケチャップの需要拡大。ナポリタン日本代表を決める全国大会カゴメナポリタン スタジアム2025を開催。多くの飲食店にエントリーしてもらい業務用の拡大も目指す。トマトジュースと「野菜生活100」も「利益回復」の要。トマトジュースは最大出荷量を3期連続で更新しており、今年は4期連続の出荷量最大を目指し、血圧など健康価値を再訴求する。「カゴメトマトジュース」の購入率はまだ11%程度であり、拡大余地は大きい。「野菜生活100」はブランド30周年をフックに、子育て層を中心にリトライアルを促進し、「家族の健康飲料」としての基本価値と、主原料であるにんじんの健康価値発信により子育て層のリトライアルと習慣化を促進する。
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