ヤクルト本社は24年度、生産体制が安定した「Yakult1000」(宅配)、「Y1000」(店頭)の販促活動に精力的に取り組み、さらなる売上増大を図る。
このほど行われた決算説明会では、成田裕社長による今後の経営展望を担当者が説明。「今年1月に生産能力を強化し供給体制を整えたことで、今期は精力的な販売促進活動に踏み切ることができる。まだまだ潜在需要の掘り起こしは可能だ。チャネル拡大と取引店舗当たりの販売本数を伸ばしていく」との方針を明らかにした。
宅配チャネルでは、ヤクルトレディによる基本トークの見直し、商品研修の徹底などを通して価値普及活動を一層徹底していくほか、「ヤクルト届けてネット」でもキャンペーンを展開する。
店頭チャネルは、リピート顧客に向けて6本パックの配荷をSM中心に進めるほか、CVSでも5月末頃から販促を開始。今後は生協など未取引チャネルでも積極的に商談を行っていく。9月30日まで実施の「毎日コツコツ!乳酸菌シロタ株キャンペーン」では「Y1000」「同6本パック」も対象商品。
23年度は、宅配と店頭を合わせた1000シリーズ1日当たりの販売本数が約319万本(前年比24・9%増)と国内事業を牽引した一方で、十分な販売促進活動ができる生産供給体制ができず、最大生産能力を意識しながらの活動となった(同社)。
同社は21年の発売で大きな話題となって以降も継続する1000シリーズの高い需要に応えるべく、23年3月に宅配向けの生産体制を強化。22年11月と23年4月に店頭向けの生産体制を増強したが、一部店頭での品薄や宅配の新規受注停止が続いていた。
24年1月に富士小山ヤクルト工場で1000シリーズの生産を順次開始したことで、ようやく「ヤクルトレディも欠品の心配をせずお薦めできる」体制が整ったことで販促強化に踏み切った。
現在の生産体制は、「Yakult1000」(宅配)が285万本/日、「Y1000」(店頭)が140万本/日。25年(3月期)販売本数は「Yakult1000」(宅配)が230万本/日(前年比6%増)、「Y1000」(店頭)が130万本/日(前年比27%増)を予想。
なお、現時点でさらなるライン増設は計画していない。