持続可能な農業へ 国内最大のアグリ連合体始動 エア・ウォーターと神明HDが資本業務提携

持続可能な農業を目指すことを趣旨に昨年設立したエア・ウォーター(A・W)と青果関連企業2社の連合体に、コメに強みを持つ神明ホールディングスが加わった。

A・Wのアグリ&フーズ部門と3社の売上合算値は約7千億円と、国内最大規模のアグリ連合体となる。4社で青果物の調達から物流、加工、販売のプラットフォームを確立させ、農業が抱える担い手不足、不足する輸送能力、食料自給率改善などの課題に対応する。

A・Wが神明HDと資本業務提携し、3月29日付で神明HDの株式4.7%を取得した。連携する4社は、「それぞれ立ち位置(得意とする事業分野)が違うからこそ成り立つ」(豊田喜久夫A・W会長)関係にあり、各社が資本含めた業務提携を締結している。

A・Wは北海道産野菜の調達力や加工・冷凍・鮮度保持技術、全国の物流拠点を持ち、アグリ&フーズ部門(23年3月期年商1千528億円)が農業や食品を担う。青果関連2社は、ベジテック(年商640億円)が小売や中食の販路に強みを持ち、デリカフーズ(同479億円)は外食販路を強みとする。この3社で先行して23年2月に資本業務提携を締結したが「穀物が不足していた」(4社連携の運営委員長を務める遠矢康太郎ベジテック社長)。神明HD加入で「ある程度のカテゴリーをカバー」(同)できる体制となる。神明HDは、日本全国のコメの調達を可能とするほか、傘下に青果卸や寿司チェーンなどを持つ。

4社の取り扱い農産物量は140万t(青果90万t、コメ50万t)で、青果90万tは国内青果出荷量の7%に該当する。

農業を取り巻く環境は厳しく、農業従事者が40年には2000年比で75%減少するほか、24年の物流問題に伴い、30年までに農産品輸送能力が32.5%不足するデータもあるという。

今後、産地の人手不足には収穫作業などを機械化して代行するアグリサポート事業を全国に展開し、加工用含めた全量買い取りで農業経営の安定化を図る。

物流問題は、青果生産地の北海道や九州はA・Wの物流拠点を活用し、消費地の関西・関東は各社の協業拠点を活用する。

また、集荷・中継拠点として、4社の既存施設のほか新たな拠点も検討する。

豊田会長の話

4社連携の一番の狙いは、農家・生産者をどう守るか。そして若い人が就農したくなる形をどう形成していくかだと思っている。農業従事者の平均年齢は70歳弱と高く、このままではコメが食べられなくなる時代がきてしまう。まずは農家の収入を増やす取り組みが重要だ。

4社の相関図(エア・ウォーター資料より) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
4社の相関図(エア・ウォーター資料より)
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