逆転する「優越的地位」

今日から、運転業務における時間外労働の上限規制が適用される。さらなるドライバー不足、荷物の遅延、物流費の高騰など想定される懸念材料は多い。いわゆる2024年問題である。

▼専門家はこれを引き金に「明確なパワーシフトが起こる可能性は高い」と論ずる(「日本の物流問題」野口智雄著・ちくま新書)。つまり、「優越的地位を謳歌」してきた荷主が「今度は逆に選別を受ける」ということだ。

▼最近、その実例を耳にした。関西にある中小メーカーの社長。地元には自社で配送するが、遠方は運送業者に任せている。「ある時、運賃を上げてほしいという交渉を通り越して、『もう運べない』と言われた」と嘆く。荷主として無理を言ってきたつもりはないが、「人材不足が理由と言われればどうしようもない」とため息をつく。

▼そのメーカーも同じ事情を抱える。人手が足りず、主力商品の生産が追いつかない。十分に供給できないので、売り先を選別せざるを得ない。当然ながら、適正価格で買う先が優先される。小売業の「優越的地位」も、長くは続かないことを示唆しているようだ。

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