赤城乳業 既存ブランドを磨き上げ 未購入者層との接点強化

赤城乳業は24年度、氷菓系とともに力を入れるクリーム系商品に磨きをかける。アイス市場全体の課題である新規顧客獲得に向けては、同社らしい遊び心あるプロモーションで新たな顧客接点を創出する。

23年12月期は売上高前年比10%増(570億円)で着地した。このほど行われた戦略発表で井上大悟専務取締役営業本部長は「ハードな1年だった。大猛暑や価格改定は売上高に寄与した一方、猛暑の影響で供給面ではチャンスロスもあり11月頃まで気が休まる状況ではなかった」と振り返る。氷菓系のほか主力のクリーム系商品も売上の底上げに貢献しつつあることから、さらなる市場定着を目指す。

営業本部営業企画課の中島一輝氏は、今後の課題点に新規顧客獲得を挙げる。

井上専務取締役営業本部長(赤城乳業) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
井上専務取締役営業本部長(赤城乳業)

「2012~22年までの市場売上は32%ほど伸長しているが、購入率は6%程度の伸長。大猛暑の中でも約2割の人はアイスを購入しておらず、未購入者層へのアプローチが課題」と語る。

24年度は目玉施策として、育成中のミルク3兄弟「ソフ」「ミルクレア」「フロリダサンデー」を刷新。商品のファンになってもらう仕掛けも多数用意した。

「ソフトクリームの上だけ」がコンセプトの「ソフ」は、クリームの巻きを深くすることでスプーンを入れやすく改良。従来配合していたバターを生クリームに変更することでよりフレッシュな味わいにした。

製品特性を分かりやすく伝えるTVCM「ソフトクリームバルーン篇」を2月26日~3月17日、4月1~10日まで放映しているほか、4月30日までソフトクリームのコーン風カップなどが当たるクローズドキャンペーンを実施中。

「ソフ 北海道ミルクバニラ」(赤城乳業) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「ソフ 北海道ミルクバニラ」(赤城乳業)

「ミルクレア」は外側のコーティングを改良。「同チョコレート」は外側のカカオマスに新たにベルギーチョコレートをブレンドすることで甘さとほろ苦さをバランスよくした。「同 宇治抹茶」は、抹茶フレーバーを好む若年層が増えていることから、外側の宇治抹茶に、新たに苦みや渋みが少なく旨味が強い玉露をブレンドし優しい甘さに仕上げた。4月上旬まで猫を起用したTVCMを放映するほか、数量限定の猫パッケージを展開している。

「フロリダサンデー」は、同社製品の中でも一二を争う高いリピート率を誇り、配荷店や数量を伸ばすなど勢いに乗っている。今回、既存品よりも果肉ソースを増やし果肉サイズを大きく改良した。コア層の30代以上男性を含め、利用者層が幅広いXで情報発信を強化している。3月10日までオリジナルバケットハットやTシャツ、トートバッグと商品の詰め合わせが当たるCPを実施中だ。

また、「ガツン、とみかん」は引き続き、お笑いタレントの江頭2:50さんとコラボし、目をよく凝らして探すと“隠れエガちゃん”を発見することができるパッケージで楽しさを提供している。

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