「サントリー天然水」23年販売数量が過去最高更新 牽引役はミネラルウォーター サステナビリティ活動でブランド力に手応え

 サントリー食品インターナショナルの「サントリー天然水」ブランドの1-11月累計販売数量は前年同期比7%増の1億2876万ケースを記録し、2023年販売数量が過去最高を更新する見込みだ。

 昨年12月取材に応じた川村崇SBFジャパン戦略企画部部長は、「『サントリー天然水』ブランドの基幹商品であるナチュラルミネラルウォーター(天然水)が非常に力強くブランドを牽引。その上で、果汁飲料の『サントリー天然水 きりっと果実』と混濁果汁入りの炭酸飲料の『サントリー天然水 特製レモンスカッシュ』の派生品が非常に好調で増分に寄与した」と振り返る。

 ナチュラルミネラルウォーター(天然水)の「サントリー天然水」単体も前年を超えて1億ケース強の規模を維持する見通し。

 飲料業界では、各社のNB商品で一昨年10月の小型ペットボトル(PET)の価格改定に続き、昨年5月に缶商品、同10月に大型PETの価格改定が実施された。
 これにより流通のプライペート(PB)商品との価格差が広がり、特に緑茶飲料と炭酸水のカテゴリーでPBへの流出が顕著になった。

 反面、ミネラルウォーターカテゴリーにおいてはPBも拡大した模様だが、「サントリー天然水」はその煽りを受けることなく成長。

 川村部長は、強固なブランド力に貢献した取り組みとして、水のサステナビリティ活動を挙げ「6月に『ウォーター・ポジティブ』のコミュニケーションを開始するなどサステナビリティに関するメッセージを発信し続けていることで、ブランドの基盤も年々強化されていると捉えている」と語る。

 「サントリー天然水」では近年、若年層ユーザーが増加傾向にある。

 昨年12月に開催された「水のサステナビリティ活動方針」発表会で、佐藤匡ブランド開発事業部課長は、「ウォーター・ポジティブ」のコミュニケーションについて「若年層のお客様は、明らかにコミュニケーションに対する好意度が高かった。彼らは学校でサステビリティの重要性を学ぶ機会のある「SDGsネイティブ世代」のため、こうしたメッセージに共感して商品を選択するという兆しがみえてきている」と説明する。

 同ブランドは2016年に年間販売数量で1億ケースを突破し、18年に国内清涼飲料ブランドNo.1のポジションを獲得。
 同ブランド計の22年販売数量は前年比8%増の1億2980万ケースを記録し、23年これを突破し6年連続でNo.1となる見通しとなる。