コーヒーはSDGs教育の格好の教材 UCCの小学生向けセミナーに白羽の矢 オファー受け鎌倉市で開催

SDGs教育の格好の教材としてUCC上島珈琲が随時開催している小学生向けコーヒーセミナーに白羽の矢が立つ。

UCC上島珈琲は12月17日、鎌倉エフエム放送が主催する体験イベント「しごとてんmini」で小学校高学年(4~6年生)とその保護者を対象にセミナーを開催した。

セミナーをオファーしたのは、鎌倉市教育委員会の高橋洋平教育長。

イベント終了後、取材に応じた高橋教育長は「コーヒーはSDGs教育の1つの教材になり得る。SDGsというと子どもも大人も縁遠いものに感じてしまいがちだが、身の回りにあるコーヒーからSDGsを考えてみると身近に感じてもらえる」と語る。

セミナーは、コーヒーが手元に届くまでの過程や生産国の地理的特性を学びながら地球温暖化などの社会課題に触れる内容になっている。

講師役を務めたのはUCCホールディングスサステナビリティ推進室の願能千瑛さん(右) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
講師役を務めたのはUCCホールディングスサステナビリティ推進室の願能千瑛さん(右)

この日、講師役を務めたのはUCCホールディングスサステナビリティ推進室の願能千瑛さん。

コーヒーが飲用以外に身近なスイーツやアレンジドリンクなどに使われていることを紹介した上で、参加者が実際に生豆や焙煎豆に触れる機会を設け、焙煎豆は参加者自らが小型マシンで粉砕して粉の状態でも確認できるようにした。

動画を活用してコーヒーの生産・製造・流通過程も説明し、地球温暖化が続くと2050年にはアラビカ種コーヒーの栽培適地が2015年比で50%にまで減少するといわれている「コーヒーの2050年問題」にも触れた。

髙橋教育長は「鎌倉市は“世界に誇れる持続可能なまち”をビジョンに掲げる。それに基づき教育施策を策定しているのだが、学校だけでは教えられない部分がある。企業さまとのコラボで未来につながる学びを豊かにしていきたいという思いが教育員会にある」と期待を寄せる。

鎌倉エフエム放送では、多様な仕事を通して子どもに“スキ”を発見してもらうことをテーマに2022年から毎年8月に「しごとてん」を開催。

今回初めて開催された「しごとてんmini」は「しごとてん」の小規模バージョンで、来年からの本格展開を予定している。

体験イベントについて、鎌倉エフエム放送の小松あかり会長付放送プロデューサーは「各分野に特化した方からしっかりお話していただくことを基本としている」と説明する。

テーマは環境に限定しないものの「鎌倉は環境共生に関心の高い親御さまが大変多く、お子様も必然的に環境問題を身近なことと捉えている」という。

UCCのセミナーは、高橋教育長が橋渡し役となって実現。「コーヒーという切り口で環境共生について子どもにも考えてもらいたい。コーヒーは暮らしの一部というご家庭も多く、子どもたちも興味・関心を持ちやすい」と小松プロデューサーはみている。

セミナーに参加した保護者からは「楽しく学べて良かった」などの声が寄せられた。 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
セミナーに参加した保護者からは「楽しく学べて良かった」などの声が寄せられた。

実際に、セミナーに参加した保護者からは「地球温暖化でコーヒーの収穫がこれから難しくなると聞き、環境問題と絡めて我が子に知ってもらいたくて今回参加し、楽しく学べて良かった」との声が寄せられた。

一方、講師役を務めた願能さんは「小学校3、4年生には難しい内容かと思うのだが、実際にやってみて若い人のほうがサステナブルとの距離が近いことが分かった。学校でSDGsを勉強していることが凄く大きい」と振り返った。

今回、「しごとてんmini」の会場となったのは「MUJIcom ホテルメトロポリタン鎌倉」。同店を運営する良品計画も会場を提供するなどして鎌倉市に協力している。

良品計画の勅使河原武明食品部店舗運営担当大阪・鎌倉ブロックスーパーバイザーは「次世代の子どもも含めた地域の方々の学びの場や、大きな会社と関われる場というのはありそうでない。我々としても地域の課題を一緒に解決していきたい」と述べる。

なお「MUJIcom ホテルメトロポリタン鎌倉」では同店独自の取り組みとして「鎌倉海藻ポーク」を食材に採用している。

鎌倉海藻ポークは、鎌倉の海岸に打ち上げられた海藻を収穫し乾燥させたものを飼料にして育てた豚肉。海藻を収穫する作業を市内の3つの福祉施設が担い、水産・福祉・畜産の連携で生まれた食材となる。

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