流通4社(サミット、マルエツ、ヤオコー、ライフコーポレーション)が3月に発足させた「首都圏SM物流研究会」の会員が10社に増えた。首都圏外からの参加を受けて全国とエリア別の2部制とし、今年度中に荷待ち1時間以内の達成を目指す。
新たに参加したのは、カスミ、西友、東急ストア、いなげや、原信、ナルスの6社。10月20日、同研究会の活動報告で川西秀樹東急ストア執行役員営業本部商品統括室長は「自社だけでは乗り越えられない壁がある」と参加の背景を述べた。
研究会は、3月16日に「持続可能な食品物流構築に向けた取組み」として宣言した以下の4項目に取り組んできた。
①加工食品定番商品の発注時間見直し
②特売品・新商品の発注・納品リードタイムの確保
③納品期限の緩和=1/2ルールの採用
④流通BMSによる業務効率化
「流通だけでは物流効率化を十分に進められない」との考えから、メーカー、日本加工食品卸協会、卸企業にも研究会に出席してもらい、サプライチェーン全体の最適化を見据えて率直な意見を交わしてきた。
今後の大きな目標は、2024年問題に間に合わせるべく来年3月末までに「荷待ち時間1時間以内」を実現すること。
会員企業の配送センターで計測したところ、荷下ろしを始めるまでに1時間を超えるケースが見られた。バース予約システムの導入と利用率向上を促し、荷待ち時間の短縮を図る。
6月に政府が示した「物流革新に向けた政策パッケージ」に基づき、食品SM業界の自主行動計画の草案作りも研究会が行った。この草案をもとに、SM3団体(日本スーパーマーケット協会、全国スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会)合同で、経産省へ正式に提出する予定だ。
原信、ナルスに続いて首都圏外から参加企業が出てくることを想定し、全体会とエリア部会の2部制に変更した。名称は全体会を「SM物流研究会」、首都圏のエリア部会を「首都圏SM物流研究会」とした。
全体会では製配販の連携に取り組む。荷待ち・荷役作業時間の削減、生鮮物流の効率化、商品マスターの標準化などを検討する。エリア部会では各エリアのSM同士の連携を目的に、共同配送や空きトラックの相互活用、輸送機器の研究などを検討する。