ファミリーマートは上期(2月期)、事業利益が過去最高を達成した。既存店客数は8月で18ヵ月連続での前年超えとなり、日販(1店舗・1日当たりの売上高)は8月で24ヵ月連続での前年超えを記録した。
10月12日の決算説明会で浦島宣哉取締役常務執行役員CSO(兼)経営企画本部長は「猛暑や政府の電気代支援などが追い風となって減損損失が改善したことで前期比大幅増益の決算となった。営業・商品・マーケティングの各部門の連携を強化してPB『ファミマル』の拡販と店舗クオリティの向上に努め人流回復の機会をとらえることができた」と上期を振り返る。
人流回復の機会をとらえることができた施策としては40%増量作戦や人気ゲーム・アニメとタイアップしたコラボ展開などを挙げる。
原材料高騰が続く中、価格以上の価値の提供を意識して「ファミから」や「フラッペ」の新フレーバーなどを展開したところ客単価の向上も実現した。
売場とデジタルとの連動も奏功した。
デジタルサイネージ、ファミリーマート公式アプリ「ファミペイ」、店頭販促の3つを連動させたファミリーマート独自の新たなリテールメディア戦略として「ファミチキ」と対象飲料のセット販売キャンペーンを実施したところ、実施期間中、「ファミチキ」と対象飲料の併買率は施策前と比較して7倍となった。
デジタルサイネージは8月末で全国約7000店に設置拡大し年度内に1万店の設置を計画している。
下期は、不透明な経営環境が継続するとの見通しのもと「お客様の数を増やすのに特効薬はなく地道なことをやっていくしかない」とし引き続き店舗のQSC(品質・サービス・清潔)や営業・商品・マーケティングの各部門の連携に取り組む。
商品面では「ファミマル」に注力。
「もっと特色あるプレミアムラインやカテゴリーを増やして“ファミマに行けばファミマルといういい商品がある”と思っていただけるように取り組んでいく」と意欲をのぞかせる。