漬物で野菜消費拡大を

漬物メーカーの取材でちょっと面白い体験をした。受付に置かれた装置で野菜の摂取状況を調べるもので、中指に光を当てると10秒ほどで測定できる。結果は386で日本人平均の343より高かったが、同社社長の数値が900というので驚いた。

▼同社の社員によると、数値を見て一喜一憂するのではなく、野菜摂取に対する意識を変えてもらうのが狙い。日本では1日に350g以上の野菜類を食べることが推奨されているが、数年前の調査ではまだ70gほど足りていない。

▼農水省は野菜摂取量を目標値に近付けるため、「野菜を食べようプロジェクト」を実施中。この取り組みの一環として漬物で野菜の消費拡大を図ろうと、「漬物で野菜を食べよう!」のチラシで情報発信を行っている。

▼この取り組みに対して、ある全国紙が「食塩量の少なくない漬物で野菜摂取を促すのは妥当か」という記事を載せた。野菜に多く含まれるカリウムが塩分を体外へ排出すること、現在の漬物は低塩化が進んだことを知らないようだ。しかし、漬物の塩分について議論が高まるのは悪くない。